Webセミナー 2

 9月に初めてWebセミナーを経験しましたが、昨日は2度目のzoomを使ってのWebセミナー体験でした。主催はJICA四国、テーマは「協力隊×コーヒーで世界を変える~持続可能なコーヒー市場の構築に向けて~」と題し、開発途上国と日本を繋ぐアイテムであるコーヒー。世界のコーヒー市場の構造的な問題、途上国の生産現場の実態や生産者が抱えている課題を紹介し、日本の消費者として持続可能なコーヒー市場について、青年海外協力隊として参加し、現在もコーヒーの仕事に携わっている青年と考えてみようという企画です。 

■内容 

基調講演:「コーヒーで世界を変える~コーヒー豆の市場取引価格は適正か~」 

 消費増・気候変動への対応が迫られながらも生産者が潤わない構造とは 

 ・講師 川島良彰氏(Mi Cafeto 代表取締役社長/JICAコーヒー分野に係る課題別支援委員会委員長) 

■報告:協力隊が見たコーヒー生産者の実像、コーヒーの魅力 

  (1)今井恵里氏(カトラッチャ珈琲焙煎所代表/元ホンジュラスJICA海外協力隊)※お店より中継します 

  (2)門川雄輔氏(COYOTEマネージャー/元エルサルバドルJICA海外協力隊) 
■ディスカッション: 

 コーヒーの生産地で、今何が起きているのでしょうか。日本はコーヒーの大消費国、消費者は「持続可能なコーヒー」に貢献できるでしょうか。生産国の実情を良く知る3人の講師のお話から何が見えてくるでしょう。 

といったものです。前回のWebセミナーと違って開始時間が午後6時30分からなので、自宅に帰ってじっくり視聴することができました。 

川島さんは、コモディティーというコーヒー市場の相場や生産者の現状について語っていて、使用していた資料も過去に見たことのあるものだったので、今回、何か新しい内容があるかと期待します。ところが、「コーヒーの原価が安すぎるから、原価を上げるために、美味しくないコーヒーを出す店で、美味しくないと声を上げましょう。」では巨大ロースター(3社)やマネーゲームをする投資家にはかなわないのでは?ましてコロナ禍で苦しむ飲食店にとって。一方、今回登場した若い人達の取り組みのようなダイレクトトレードという方法も、全体の中のほんの一部にしか手を差し伸べることができません。でも、若い人たちの活動を見ると元気をもらえ、日本人もなかなかやるな~と喜べます。 

・今井恵里さん 

 2013年に青年海外協力隊として中米ホンジュラスに派遣された経験を元に、20198月に愛媛県大洲市でカトラッチャ珈琲焙煎所を開業されています。開店のための準備費用の一部をクラウドファンディングで調達するなど、あなたと紡ぐコーヒー物語『ホンジュラスと日本を笑顔でつなぐ』と題したブロジェクトの趣旨がココで説明されています。一度飲んでみたいと思える内容でした。 

・門川雄輔さん 

 大学を卒業後に小川珈琲(株)に就職し、JCTC(ジャパン・カップテイスターズ・チャンピオンシップ)では決勝まで進むほどコーヒーにのめり込み、コーヒーや産地と直接関わる仕事に携わりたいと、青年海外協力隊の募集のポスターを街角で見かけて応募されたそうです。エルサルバドルのチャラテナンゴというコーヒー栽培地域へ、マーケティング隊員として派遣されましたが、今回のコロナウイルス蔓延の影響で予定されていた任期9月より早い3月に日本へ戻られることになりました。そして今は、「COYOTE(コヨーテ)」という新規事業の準備をされています。 

COYOTE」という事業は、バイヤーと農家をつなぐ仕組みや環境が整備されていないために、たとえ美味しいコーヒーがあっても、バイヤーの目に留まらなければ輸出はで状況を改善するため、バイヤーと農家をつなぐ橋渡しとして「生産者組合」の活用でした。実績のある生産者が築いたネットワークを生産者組合でシェアすることで、小規模農家さんのコーヒーもサスティナブルな取引のマーケットに乗せることが可能になります。生産者組合の利点を活かして、地域として高品質なコーヒーの流通量を増やすことを目指されました。 

 コーヒーを作るコストを下回るような買い付けが行われることが多いコーヒー産業は、未だに生産者より消費者や中間業者に優しい市場となっていることから、中間搾取業者を意味する「COYOTE」という名前をあえて皮肉って自分たちの事業の名前にされています。

 

 「協力隊×コーヒーで世界を変える~持続可能なコーヒー市場の構築に向けて~」というテーマに期待したものの、青年海外協力隊とコーヒーで世界を変えたい川島さんとのコラボ企画、なんだか同窓会みたいな雰囲気を感じてしまいました。それも悪くはないのですが。