ミュージアム2つ

 昨日は臨時休業にしたこともあって、定休日の月曜日には見ることができないミュージアムへ行こうと、まず、多治見市美濃焼ミュージアムへ向かいました。ここでは、926日~年131日まで企画展「(続)西浦焼 ―多彩な日常の器たち・加納collection―」が開催されています。(続)が付いているのは、526日~75日まで企画展「西浦焼 ―多彩な日常の器たち・加納collection―」が行われており、展示できなかった作品を見ることができます。 

 西浦焼は多治見の豪商、西浦家が明治時代に美濃焼の名声を高めようと制作させた磁器で、作品は海外でも高く評価されていました。今回の展示では、同館所蔵の一点を除き、展示作品を所有する県内在住の収集家加納康光さんのものです。加納さんの高祖父が西浦焼の海外進出に関わったのをきっかけに収集を続たそうで、三年ほど前にコレクションを同館に預けられたということです。 

 初期、中期、後期の作品に分けて展示され、1868?1885年ごろの初期の西浦家に協力した市之倉の陶工・加藤五輔の影響が色濃った、青色の顔料で精巧な絵付けを施したカップやソーサー、皿などが並びます。 

 続いて向かった先は、みのかも文化の森にある美濃加茂市民ミュージアムです。ここで919日~1025日まで開催中の「現代美術レジデンスプログラム 林武史 石の記憶、泥の声」を見ます。200010月に開館したに美濃加茂市民ミュージアムは、以後、毎年「芸術と自然」をテーマに現代美術家を招へいしており、滞在制作と展覧会を開催しています。今回、開館20周年にあたり、現代日本の彫刻界を代表する岐阜県出身の彫刻家・林武史(1956年~)を紹介しているのです。 

 展示スペースに入る前に作家を紹介するPVが流れていたので、なんとなく作家の人となりや作風が分かりました。どうやら、2000年頃から土や泥を使って、山や田をモチーフとする「彫刻」を手がけているようで、「大地の変動の歴史が刻み込まれた石、そして人の営みを支え続けてきた土。自然の景色と時の流れに息づくように、その地に根を下ろして生き続ける林の彫刻は、遺跡や日本の暮らしの原風景を彷彿とさせます。」とあるものの、私の感性ではなかなかイメージが沸いてきません。貧困な感性の持ち主なのです。 

 そんな2つのミュージアムを見た後、帰路の途中に立ち寄ったのが多治見市池田町にある「時間旅行」さんです。3年ほど前まで多治見駅裏のテナントで営業されていましたが、現在は池田町に住居兼店舗を構えて移転されました。移転後は月曜日を定休日にされたこともあって、立ち寄ることが出来なかったので、約4年ぶりの訪問となります。 

 カウンターに座ると特徴のある頭部を見て誰だか分かったようで、ペルーの豆を三洋産業のフラワードリッパーで淹れたコーヒーを飲みながら雑談します。コロナ禍ということもあって、まめ蔵と同様に席数を少し減らしながら営業をされていましたが、数組のお客様で華やかな空気が流れています。白木に包まえた店内が明るく、若い店主とあって、自分には出せない特徴のあるいい店です。私は芸術よりも美味しい一杯のコーヒーがいいな。