赤いそばの花

 秋には彼岸花をはじめ、色とりどりのコスモスが咲き誇ります。定休日の今日は、珍しい赤い花が咲くそば「高嶺ルビー」を見に、八百津町の福地地区まで行ってきました。 

 岐阜新聞Web版(927日)によると、「岐阜県八百津町福地の体験型施設『福地いろどりむら』の棚田で、赤いソバの花が見頃を迎えている。『高嶺ルビー』と呼ばれる品種で、緑豊かな山里の一角を鮮やかに染めている。町内外の住民でつくる福地そばの会が、地域を花で彩ろうと耕作放棄地を活用して育てており、10年目。ソバは一般的に白い花だが、高嶺ルビーは品種改良によって赤い花を咲かせる。棚田では、約1ヘクタールにわたって咲き誇る珍しい赤いソバを、観光客や登山者らが写真に収めていた。開花のピークは10月初旬まで。」とありました。 

 この「高嶺ルビー」という品種は、1987年にヒマラヤの標高3800mのところから、赤い花の咲くそばを日本に持ち帰り、信州大学の故氏原暉男名誉教授がタカノ株式会社(宮田村)と共同で開発して真紅の花を作り、高嶺ルビーと名付けたものです。その後、長期にわたり品種改良をかさね、2011年にさらに赤みを増した「高嶺ルビー2011」が誕生しています。 

 そんなことから、長野県上伊那郡箕輪町では、「中箕輪そば組合」が1997年から農地の遊休化防止のために耕作を始め、「赤そばの里」と名付けられ、2006年には、上古田地区の有志による「古田の里 赤そばの会」が耕作を引き継ぎ、遊歩道・駐車場・トイレ・休憩所等の整備された、東京ドームほどの広さ約4.2haの広大な畑で栽培されています。 

 本来なら、一面赤いそばの花が広がる「赤そばの里」に行きたかったのですが、今年はコロナ禍ということもあり、赤そば関連の一切の事業・行事は行なわれておらず、そばの花も咲いていないそうです。それならばと、今回、八百津町に向かったものの、標高100mにも満たない場所から、標高650mの福地地区までの道のりは想像以上に長く感じました。登れども集落は見えないので、「いったいこんな所で本当に暮らしているのか?」(失礼しました)と、テレビ番組の「ポツンと一軒家」のロケにダブって車を走らせたのです。行ってみたいと思った方は、こころして出かけてください。 

 ちなみに、そばの花は赤いですが、そばの実は普通のそばと変わらない色のようです。