また笑顔が見える

 『古田肇岐阜県知事は26日、8月末までを期限に発令している県独自の「第2波非常事態宣言」について、解除に慎重な姿勢を示した。岐阜県内の感染状況は落ち着きつつあるが、愛知県が「厳重警戒」を維持している状況などを考慮し、「岐阜県としては、まだ簡単に油断するわけにはいかない」と宣言の継続を示唆した。』(20200827日岐阜新聞Web) 

 ってなこともあり、マスク着用での入店をお願いしたり、雑誌の撤去や間隔を空けたテーブル配置など、いましばらくは継続することとなりました。まあ、新型コロナウイルスが無くなることもなく、ワクチンや特効薬が直ぐに開発される訳でもないので、従来の生活様式に戻るのはかなり先の事になるでしょう。そんな窮屈な状態であってもお客様には来店いただいています。まったくもって有難い話です。 

 そんな事を思っていると、「ひるがの高原に行ってきたから!」と、トウモロコシをお土産にいただきました。いつものことながら、お客様から色々なものを頂いております。ただただ感謝するばかりですが、「頂いて一番嬉しいのは、お客様の笑顔です。」なんてクサい言葉も恥ずかしくもなく言えるようになりました。 

 その、お客様の笑顔が見たくて、カウンターに座っている方には、ついついコーヒーの話を長くしゃべってしまいます。時には、抽出の際に後半お湯を希釈する姿に疑問を持った方へ、松屋式の原理をビーカーを使って説明したり、美味しくもないロブスタまで飲ませたりと、店主の好き勝手にやってしまうものですから、時々、やりすぎだったと反省しております。 

 そんな抽出の方法の一つにとして、今週のフレーバーチャンネルで「高木まろやか式」なるものを紹介しておりました。興味を抱いて発案者のYoutubeも見ると、一般的な抽出では渋みや雑味が出てしまうようなコーヒーでも、まろやか式で抽出すればまろやかで飲みやすいコーヒーができるといいます。 

注目するのは、いくつかある動画の中で「まろやかコーヒー教室」冒頭に説明されている次の文章です。『まろやか式は、良い味に貢献する要素と阻害する要素の相反する性質を利用して、良味要素を多く、阻害要素をより少なく取り出そうとするものです。経験則ですが、その性質とは、良味要素は溶けやすく濃い液にも溶ける、逆に阻害要素は溶けにくく濃い液には溶けないというものです。そうであるなら、抽出のとき濃い状態を多く、薄い状態を少なくすればよいことになります。』と最初に説明があります。なんだか聞いたことのある説明ではないですか。 

具体的な方法については抽出器具ごとに動画があり、「まろやかドリップ初級 動画」を見ると、「抽出のとき濃い状態を多く、薄い状態を少なくすればよいことになります」という手順が分かりやすく説明され、松屋式と共通する部分の多いことに驚かされます。 

そこで、早速、試してみようと思ったものの、「一般的な抽出では渋みや雑味が出てしまうようなコーヒー」が手元にありません。けれど、いっそ美味しくないコーヒー豆ならハンドピックした欠点豆で構わないと気付きます。そこで、欠点豆を一般的なドリップ方法で抽出したものと、「高木まろやか式」で淹れたものを飲み比べてみました。すると、明らかに飲みやすくなります。同じ欠点豆なのにネーミングどおり「まろやか」になるではないですか!実に面白い!! 

これでネタが一つ増えました。欠点豆でもまろやかになる抽出法として、この「高木まろやか式」を試して、また、お客様の笑顔を見る機会が増えることでしょう。