3年ぶりの瀬戸焼きそば

 史上最年少となる18歳1カ月での二冠&八段昇段を達成した、藤井聡太王位・棋聖(18)が愛知県瀬戸市出身ということで、瀬戸市役所には御祝の大段幕が市庁舎に掲げられ、市内各所で盛り上がっています。しかし、私としては、「瀬戸市」と言われる度に二十歳の頃に食べた「瀬戸焼きそば」が思い出され、ついついまた食べたくなってくるのです。 

 そこで、2017年に将棋の連勝記録歴代1位の29連勝となった約3年後、再び瀬戸市街の宮前地下街にある、焼きそば専門店・大福屋に行ってきました。ここは、深川神社の門前通りで、神社や隣接する宮前公園より低地に店舗が連なっているため「地下街」と呼ばれており、深川神社の参道で売られていたため、昔は「宮前の焼そば」と呼ばれていたそうです。 

 その「宮前地下街」の一角にのれんを掲げていた「福助」というお店が「瀬戸焼きそば」のルーツという説がありますが、店主が亡くなったことから2002年に閉店しています。私が昔から通っていたのは、「宮前地下街」の入り口近くにある焼きそば専門店・大福屋

です。近くに2店舗並ぶように営業していましたが、圧倒的に人の列が多かったのが大福屋ということもあり、こちらの店しか行ったことがありませんでした。 

 この「瀬戸焼そば」を瀬戸市の名物として全国に広め、瀬戸市のイメージ向上と、瀬戸市民の郷土愛を育み、瀬戸市の地域活性化を図ることを目的に設立されたのが「瀬戸焼そばアカデミー」です。なんだかB級グルメ大会のために急ごしらえしたかのような団体ですが、瀬戸焼そばアカデミーによれば、「瀬戸焼そば」には次のような定義があるようです。 

①麺は、蒸し麺を使用 

②味付けは、豚の煮汁や醤油ベースのタレを使用 

③具材は、豚肉とキャベツが主体 

④せともの(瀬戸焼)の器を使用(お持ち帰りは除く) 

 ただし、この蒸し麺、スーパーなどで見かける一般的な焼そばの麺は黄色ですが、「瀬戸焼そば」に使う蒸し麺は茶色です。これは、しっかりと蒸すことで「かん水」が焦げて茶色になるということです。これにより、水分をよく吸収し、独特の食感があるのも特徴です。 

 藤井聡太くんや将棋とは無縁の私にとって、やはり「食い気」が優先してしまい、わざわざ足を運んでしまいました。満足したところで、家族用にお土産用を二つ購入し帰路に着きます。