古井の天狗山

 岐阜県で「第2派非常事態」が発表され以降も、県内各地で感染者が毎日発生しています。その中でも、東濃3市の多治見市30人、土岐市6人、瑞浪市12人(816日現在)と、土岐市の感染者数が人口比を考慮しても少ないのが幸いです。店の前に置いた「アマビエ」の置物のご利益と考えにくく、単に運が良かったということでしょう。新型コロナウイルスによって重篤になるよりも人災の方が恐ろしいので、何とかこのまま感染しないように注意します。 

そこで、「アマビエ」よりもご利益のありそうな神社仏閣はないものかと調べていると、「願い事は何でも叶う」という驚きの場所が近くにありました。そこは、美濃加茂市の字名である古井(こび)地区の名と合わせ、「古井の天狗山(さん)」と呼ばれる場所です。山之上果樹園へ行く際には必ず通る道沿いにあり、大きな天狗の像が毎回気になっていたものの、通り過ぎていた場所でした。 

「古井の天狗山(さん)」とは、美濃加茂市古井(こび)にある荒薙教(あらなぎきょう)という宗教施設のある山のことで、「荒薙教」は明治33年に戸田よきという方が開かれた神道系の宗教団体です。主祭神は荒薙大神、配祭神は御岳大神、白神明神最上稲荷、子育地蔵尊、観音様と、なんでもありといった感じです。事実、祈祷の際には、祝詞(のりと)で六根清浄大祓(ろっこんしょうじょうおほはらへ)の後に、般若心境を唱えるという神仏習合の形態が残っているようです。 

境内の駐車場に車を留めると、北西の一段高い場所に座る大天狗像(高さ12mで日本一)が目に飛び込んできます。さらに奥へ歩いていくと、大神のお遣いの天狗の大小の像やお面が多数あり、その数は3,400体を超えるといいます。そもそも天狗とは、日本で昔から信仰されている伝説上の生き物です。昔はコダマ(妖精)などと言われていて、中世以降は山伏姿(修験者の服装)で鼻が高く赤い顔をして、羽うちわをもって自由に空を飛び、人に福をもたらす霊神として祀られるようになりました。 

社殿近くに行くと、天狗が履いている下駄が置いてあります。そこには貼紙があり、 

『これは天狗さんが使用した一枚歯の下駄で実用的なものでした。 

クイズ なぜ一枚歯なのでしょうか? 

(答えは下の社務所で確認してください) 

ご希望の方はお試しください。 

ただし、下駄に不備があっても怪我などの責任は一切負いません。』 

とあります。一枚歯の理由は知っていたので確認しませんでしたが、さすがに、試しに履く勇気はないので触るだけにとどめておきました。 

さて、本来の目的である新型コロナウイルス退散を願い、本殿の前に立って宗派に関係なくお祈りします。ついでに、何でも願いが叶うというので、お店の商売繁盛も願っておきました。さらに、先日購入したサマージャンボ宝くじも念入りにお願いします。だって、何でも願いが叶うか確かめねばなりません。さて、結果は? 

 今回は、何度も見ているけれど、一度も参ることのなかった「古井の天狗山」に行きました。これも、コロナ禍だから行くきっかけになったわけで、普段と違う行動を取れるのも怪我の功名と言えるのかもしれませんね。 

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コメント: 2
  • #1

    まめ蔵フェチのともちゃん (火曜日, 18 8月 2020 10:49)

    今年5月頃、私も古井の天狗山さんへ行ってきました。すべてが愉快な感じなところでした。帰りはレトロなお土産屋さんで天狗さんのたわらせんべいを買いました。

  • #2

    まめ蔵 (火曜日, 18 8月 2020 11:11)

    私も天狗せんべいを買おうと思いましたが、残念ながら在庫がないということで買えませんでした。地元の神主さん(八剣神社)によると、祝詞で六根清浄の後に般若心境を唱えるという神仏習合の形態は、意外に多くの所で残っているそうです。