やってはいけないこともない

 先週、「5年物のコーヒー・リキュールを使ってコーヒー生豆を漬け込むのは、やっぱり、やってはいけないのです。くれぐれも真似をしないように!」などと書いたら、「美味しく飲めないのは、リキュールに漬け込む時間と焙煎にあり!」と珈琲狂から指導が入りました。どうやら、アルコールに漬け過ぎるとコーヒー豆の成分も抜けるようで、そんな豆を煎る場合は煎り過ぎてしまうんだとか。 

 考えてみれば、昼にアップしたブログを見てから来店されたことになるので、「えっ!そんなことのために来たの?」って驚いてしまいます。まあ、何かのついでなんでしょうが、他に理由が無かったとすれば、それはそれで有難いと同時に、かなりの変わり者でもあります。(前から知ってたけど) 

 そこで、指摘されたリキュールに漬け込む時間と焙煎を変えてみようと、残ったコーヒー・リキュールを使い切って再び試してみることにします。前回、3日間漬け込み、2ハゼ前まで焙煎しましたが、今回は、朝に漬け込んだものを夕方に取り出し、一晩乾燥させて1ハゼ途中で煎り止めしました。ついでに、コーヒー生豆もコロンビアからルワンダに変えてみました。たった8時間程漬け込んだだけなのに、かなり豆が柔らかくなっていることに驚きです。 

 焙煎したコーヒー豆は前回よりもリキュールの香りが少なく、物足りなさを感じますが、ミルで挽いた際の飛び散る香りは華やかで甘く期待が持てます。抽出して試飲をすると、ナチュラル精製のようなフルーティーで軽やかさがありますが、最後に僅かな渋みを感じます。前回のような「しめ鯖」に例えるような生臭さではなく、紅茶を飲む際の渋みに近いものかもしれません。なによりソコソコ美味しく飲めたのです。 

5年物のコーヒー・リキュールを使ってコーヒー生豆を漬け込むのは、やっぱり、やってはいけないのではなく、やってはいけないこともないと分りました。何でも試すことが一番分かりやすいのです。