雨を止めて

 『空の神様 どうか雨を止めて下さい』、こんな絵手紙が届きました。確かに、「令和27月豪雨」と名称が定められた今回の大雨は各地で災害をもたらしています。そして、まだ終わってくれることなく、梅雨前線は来週にかけても日本付近に停滞するようです。 

明日10()11()にかけては九州北部から中国地方、東海の山沿いなどで雨が強まる見込みです。多い所では2日間で300500mmの雨量が予想され、大規模な土砂災害や河川の増水、氾濫、低地の浸水などの恐れがあります。「恵みの雨」と呼ばれることもあれば、今回のように厄介者扱いされる雨ですが、自然界にとっては必要な雨ですから、何とかして付き合うしかないのです。 

コーヒーが育つうえにも、雨はとても大切なものです。育てるのが非常に難しいコーヒーの木は、雨、日当たり、温度、土質といった四つの条件が揃わないと育ってくれません。降雨量は、年間1500mm2500mmと特別多くも少なくないところで大丈夫ですが、必ず必要なのが、成長期に雨が多く、収獲期に乾燥している、つまり雨季と乾季があるという環境必要です。日本の年間の降水量が1700mmくらいですから、日本よりももうちょっと雨が降るくらいの環境で育っているんだなという感じです。 

コーヒーの花の開花にも雨は必要で、雨季の始まりの「雨」にあわせて開花します。この、コーヒーの花を咲かせるこの雨のことを「ブロッサムシャワー」などと呼ばれています。私が開業前にハワイの農園に行った際にも、前日までツボミの状態だったコーヒーの花が、夜に降った雨によって一斉に開花した光景を目にしました。 

振り続ける雨は困りものですが、雨が降るからこそ起きる素晴らしい出来事もあります。相手は自然ですから、上手く付き合うしかないのかもしれませんね。