げなげなばなし

 「げなげなばなし」というものがあります。「あれは〇〇〇やげな。」、「あの人○○○やげなよ。」といった噂話のことです。私は東海地方だけの方言だと思っていましたが、どうやら全国各地で使われているようで、意外にも九州地方でも使われており、宮崎県では、「げなげな話はウソじゃげな。」とか、鹿児島県では、「げなげな話をすいもんじゃなか。」といった使い方がありました。 

 もともと、伝聞を表す「げな」を重ねて、「話」を修飾した言葉であり、「げな」は、気配を表す「げ」に、断定の助動詞「なり」のついたもので、文末に伝聞の意を表す「げな」を用いるところから昔話のことだったようです。今では、不確実な噂話の際に使われており、さらに不確実な噂話がまるで真実のように伝聞されています。 

 最近、この東美濃地方でも、再び新型コロナウイルスの感染が確認されていますが、感染された方々に対する誤った噂話(情報)が拡散されています。中には生死に関わる醜い内容であったり、明らかな名誉棄損と思われるものまで、この「げなげなばなし」によって伝わっているのです。正直、そんな話を耳にするたび、「自分の身に置き換えられる想像力がないのか?」と感じてしまい、コロナより恐ろしい人間の闇の部分を見るのです。 

 そんな時に、「コーヒー美味しかったです。」といって、コーヒー豆を買われる際、「コーヒーのことを書いたお勧めの本はなんですか?」と尋ねられました。そこで、迷わず、『コーヒー「こつ」の科学』(著:石脇智弘)、『コーヒーおいしさの方程式』(著:田口護+旦部幸博)、『コーヒーの科学』(著:旦部幸博)の三冊をお勧めしておきました。 

 「この三冊の本を読めば、きっと一杯のコーヒーも味わい深く楽しめますよ。」と、お伝えしましたが、この情報は「げなげなばなし」ではなく真実なのであります。