アジサイを見に行く

 梅雨と言えば、やはり「アジサイ」が見頃となる季節です。お客様からの情報を収集し、この地方近郊でアジサイを鑑賞できる穴場を尋ねると、「小牧市総合公園 市民四季の森」を勧められました。そこで、雨の降っていない月曜日を利用し一人で散歩してきたのです。 

「小牧市総合公園 市民四季の森」は小牧市の東部に位置し、多くが無料で利用できることから、週末は多くの家族連れが訪れます。「ソリスベリの丘」や「わんぱく冒険広場」、水遊びができる「虹の滝」、ちびっこ動物村では、ポニー、ヤギ、ミニブタ、ウサギなどを近くで見ることができるなど、子供に人気の遊び場が揃っています。そんな家族連れを横目に、ひたすら「アジサイの丘」を目指しました。 

「アジサイの丘」には青紫、赤、白と色とりのアサガオが植えられており、ゆっくり散策するにはちょうどいい広さです。途中、カメラの画面をチェックする人や、腰掛けて飲み物を飲む人など、おもいおもいにアジサイの景色を楽しいんでいました。 

色とりどりのアジサイを見ながら、ふと、「白ってなんで?」と思います。アジサイの花色は土の酸度によって決まるということは知っており、アジサイの持つアントシアニン系色素がはたらいて、青色やピンク色が発色します。でも、白色はアントシアニンは関係ないように思います。自宅に帰って調べてみると、白花系は色素を持たない品種なので、土壌の酸度は関係ないということでした。色の変わるアジサイは移り気のイメージがありましたが、白色のままで周りに影響されなく咲く白いアジサイに好感を持つのでした。 

実は、アジサイは「紫陽花」と書きますが、いつも漢字を見ると最初の「あ」が出てきません。「紫」は音読みで「シ」、訓読みで「むらさき」という固定観念があって、当て字の「アジサイ」が出てこないのです。子供の頃、当て字が理解できなくて、紫()()(さい)なのか、紫(あじ)()()なのか、それとも紫()(じさ)()なんだろうかと考えたこともありました。 

そもそも、当て字(狭義では熟字訓)なのですから、一字ごとに分解して読むことはできず、3文字で「あじさい」と読みます。いなか「田舎」、のり「海苔」、ビール「麦酒」、キセル「煙管」など同じく、和語・外来語の書き表し方で、漢字の音訓に関わらず、その言葉の意味と似た意味を持つ漢字を当てはめる表記の仕方であることを理解したのは、以外に大人になってからだと思います。そのため、未だに漢字の紫陽花を見ると戸惑ってしまうのです。(恥ずかしい)