需要と供給

  「ザ・ヒューマン」の「コーヒーで世界を変える 川島良彰」(NHK BS1 2019年12月17日再放送)を観ました。普段は9時以降にはテレビを観ることが少ないので、ビデオ予約をしたものの、結局、そのまま観てしまいました。

 「世界を旅して“幻のコーヒー”を発掘するコーヒーハンター・川島良彰。絶滅したとされる最高品種ティピカの原木を探してキューバへ。地元の期待に応え世紀の発見なるか?」こんな内容で、これまで川島氏がレユニオン島のブルボン・ポワントゥやルワンダのコーヒー等に携わったことを紹介し、キューバでティピカの原木を探す様子が映像で流されます。 

川島氏の話はこれまで何度も聞いていたことがありましたが、キューバでの取り組みは初めてであったこともあって興味深く観ていました。とはいえ、テレビの演出として、「見つかるのか?見つからないのか?見つかるのか?見つからないのか?見つからんのかい!」といったじれったさも感じつつ、「最後はやっぱり見つかるのね!」という手法に、まんまと引っ掛って最後までテレビの前に居ることになりました。 

「コーヒーで世界を変える」、この川島氏の言葉は心に響くものの、コーヒー生豆を高く買って、消費者へ高く売るためには、需要と供給のバランスがあってのことです。付加価値のあるコーヒー豆が必ずしも高く売れる時代は長くは続かないように思います。それは、日本経済が今のままの状態で今後も続くとは考えにくいこと、それに、高付加価値商品が乱立して、本当の価値が見えにくくなっているからです。エセ商品に騙される消費者にも問題がありますが、企業側にも言葉遊びが過ぎるように感じます。 

この田舎町では、今朝、お客様から頂いた段ボール一杯の柚子が、「ご自由にどうぞ」との合図で、女性グループによってあっという間に無くなる光景を見るにつけ、需要と供給のバランスというのは、理想どうりにはいかないものだと考えさせてくれます。