再び猪子石神明社へ

 再び猪子石(いのこいし)神明社へ行ってきました。昨年11月に「イノシシを参る」と題し、猪子石神明社と周辺にある猪子石神社を巡り、持病の腰痛にご利益があるようお守りを受けてきたのでした。普段からポケットに入れて祈願している甲斐があってか、それ以降は重篤な腰痛に見舞われることがなくなったのです。

 そして、今回再び訪れた理由は、「腰」ではく「耳」です。以前、妻が風邪をひいた際に中耳炎になり、なかなか治りが芳しくないため、耳にご利益のある所はないかと調べたところ、猪子石神明社が挙がったのです。近くには、岐阜県可児郡御嵩町にある「耳神社」があるものの、駐車場もなく小さな祠だけとあって、お守りや御朱印が受けられるので、出かけてきました。

 「耳」にご利益のある場所は意外に少なく、日本で唯一祈祷のできる耳の神様「耳明神社(広島県尾道市)」、穴をあけたお椀を奉納する慣わしがある「袈裟塚の耳無不動(東京都荒川区)」 、京都の数か所の寺院があるのみです。猪子石神明社で神官さんと話をした際にも、「耳に関する神社が少ないので、昭和初期からここ猪子石神明社の末社としてお祀りしています。」と話されていました。

 その末社とは、「龍耳社」のことで、由来は、明治の初期、三河碧海郡(現在の豊田市)の弁天池で、珍しい「耳のある蛇」が捕らえられたそうです。当時も話題になったようで地方新聞「新愛知」第435号明治二十三年二月五日付には「碧海郡堤村本村の杉浦喜兵衛と云人は先達て同村大字堤で乾固まった八尺許の蛇を見付けよく見ると六七分位の耳が付てゐるので持帰ったので見物人がぞろぞろ」と掲載されているそうです。

 その後、守山区小幡の畑一衛門(または市左衛門)という方が、これを「耳の祭神」のご神体としてお祀りをしていましたが、畑氏の希望もあって猪子石神明社の末社として祀られることになったそうです。耳の健康や病気平癒を願う「耳の神様」として人々の信仰を集めているだけあって、平日の雨の中でも何人もの方がお参りにこられていました。

 さて、今回はご利益があるでしょうか?