帳尻合わせのSDGs

 昨日からお店を再開すると、「快気祝いに来たで!」といって入ってくる方や、本当に快気祝いの品を持参される方までいて、まったく有難いばかりです。また、事前にコーヒー豆を注文された方以外にも、何名もの方が購入していただいたこともあって、朝昼夕と焙煎を続けることができました。

 そんな日に来店された方の中に、SDGsの話題について話ができる人がいたので、勤務先での取り組みについて尋ねてみることにしました。すると、SDGsと名前のついた商品があることや、女性の役職への積極的登用の数値目標など、幾つかの取り組みを聞くことができました。

 調べてみると、県内の大垣共立銀行では、17の目標全てに自社の取り組みを掲げていることをPRしていましたし、同様の取組内容を紹介する金融機関も複数あります。そして、「ジャパンSDGsアワード」第二回(2019年)の特別賞には、岐阜県内の企業である「SUNSHOW GROUP」が受賞していました。さらには、身近な郵便局でも、全ての目標ではないものの、SDGsに取り組んでいるとされています。

 でも、よ~く見ると、既存の取り組みを無理やり17の目標にはめ込んでいることは明白で、SDGsのために新たな取り組みを始めたわけではないようです。とにかく、SDGsにどれだけ取り組んでいるかをアピールすることが、最大の目標となってしまっています。

 なんだか、数字だけが先行して中身が伴わないのを見ると、サラリーマン時代を思い出させます。内容が悪くても数字が出ていれば目をつむり、帳尻合わせが得意な社員が褒められる組織を思い出してしまいます。

 その数値目標を過剰に意識させるのが、SDGsの定期的なモニタリングです。SDGs達成に向けての進捗状況を各国が自分たちで報告を行うというもので、そのレビューが毎年7月頃に行われることから、急にSDGsという名前だけが広がっているようで、各省庁からの指導という名の圧力もあるようです。

 そんな不自然なSDGsもあれば、ちょっとカルト的なSDGsに纏わる話もあります。「ゴールの数が中途半端な17個にしたのは、18という数字が悪魔を連想させる数字だから。」とか、「17のゴールを細分化したターゲットの総数が169であり、13×13169という悪魔の数字が隠されている。」ものまで、さらには、「13番目のゴールのアイコンのデザインに目が使われており、プロビデンスの目やフリーメイソンを連想させる。」といったものから、「伊勢志摩サミットの場で、様々な人々17名が二人三脚でSDGsをアピールしたのは、1718脚となって、18という悪魔の数字になる。」と、言ったもの勝ちで、帳尻合わせのSDGs、肝心の中身については触れないものも気になります。

 ところで、コーヒー業界のSDGsについては、珈琲狂がSDGsを通して考えるコーヒー」で明快な正論を出しているので、17日(15日が正しい)に行われる「コーヒーサロン」は欠席してもいいかな。それとも、むちゃな正論に対して、どんな答えを出すのか確かめに行ってみようかな?などと思ってみたりします。

 それにしても、政治に利用されているSDGsは、いったい何処を目標にしているのか良くわかりません。

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    帰山人 (日曜日, 07 7月 2019 13:35)

    サロンは15日です。主催者も参加者も相当数が珈琲狂の「明快な正論」(?)を読んでいるでしょう。そして、集会は「読まなかったこと」にして進行されるでしょう。どこまで「読まなかったこと」にするのか、是非とも確かめに行ってみましょう!

  • #2

    まめ蔵 (日曜日, 07 7月 2019 14:33)

    病み上がりで開催日を誤認しておりました。同様に、誤認したまま建前論だけの内容になるのか気になりますが、あなたが黙っている訳ないじゃないですか。