桜散歩

 桜の名所といわれる場所は多くあり、ここから1時間弱で行ける場所としては、犬山市・大口町・江南市・岩倉市にわたって流れる五条川には、全長約28キロメートルに約4,000本の桜並木が続いているのが知られています。今日は、岩倉市内のほぼ中心を北から南へとつながる五条川両岸に植えられている1,400本の桜並木を見に行きました。
 岩倉五条川の桜は、昭和24年頃に町おこしの一環として約300本の植樹をしたのが始まりだそうです。現在は、岩倉市と市民活動団体の協力で桜の保護や育成をしておられ、堤に咲いているほとんどの桜はソメイヨシノのようです。川幅が狭いために両岸の桜の枝が交わるように川を覆い、素晴らしい桜のトンネルとなっていることもあり、日本のさくら名所100選にも選ばれています。
 岩倉市では、「岩倉桜まつり」が3月29日(金)から4月7日(日)まで行われており、18時~21時には昭和橋から彦太橋の約1kmの区間でライトアップが行われます。そのため、期間中は多く方が訪れることもあって、定休日の月曜に合わせて少し早めに出かけました。また、今回は友人に会うため帰省していた長女と一緒に花見散歩です。
 八剱憩いの広場臨時駐車場に車を留め、昭和橋から彦太橋の一つ手前の一豊橋までを川沿いに散歩すると、八分咲きとなった桜がアーチ状に続く先には、川面に淡く色づいた桜が映り込んでいます。まだ屋台の準備をしている早い時間ということもあり、散歩する人も少なく、のんびりと花見をしながら歩いていると、対岸の桜の木の下では、新小学生と新中学生とおぼしき兄妹を並ばせ、何度も記念写真を撮っている母親の姿が見えます。
 豊国橋の近くまで進むと、前日のイベントで行われた「のんぼり洗い」の様子が伺える「のぼり」が残っています。岩倉市には400年の伝統を誇るのぼり屋があり、五条川で行われるこいのぼりの糊落としは、「のんぼり洗い」と呼ばれ、春の訪れを告げる風物詩として有名なのです。そして、豊国橋南の欄干では、五条川上をこいのぼりが泳いでいました。
 一豊橋を渡って神明生田神社へ行き、下本町で所有している山車の倉庫へ行きましたが、前日には公開展示されていたものの、今日はシャッターが閉まっていました。代わりに、境内で可愛い狛犬を見つけます。狛犬の下にはこんな説明書きが、『私は神明生田神社の先代狛犬の「んん蔵」と申します。昔、大事な相棒の「あ蔵」クンが行方不明となり、私も現役から引退したのですが、昨年は戌年ということで、何十年か振りに皆様の前に現れることができました。』とあります。頭を撫でると運が上向くというので、長女ととともに撫でてきました。
 折り返し地点から豊国橋を過ぎたあたりに可愛いカフェ「キッチン シンプル(kitchen SIMPLE)」で休憩し、二人で柚スカッシュと金柑スカッシュを注文し、窓から桜を眺めます。2年前にオープンしたらしく、ナチュラルウッドを使った柱やドアノブなど、心安楽空間になっており、普段運動不足の私には良い休憩時間となりました。
 こうして出発地点の昭和橋まで戻ってきましたが、この橋の二つ先には平成橋があります。ちょうど今日は新元号の発表日でした。昭和橋と平成橋、いずれは「令和(れいわ)橋」なんて名前の橋が作られるのかな?なんて思ってみながら、風の少ない穏やかな桜散歩を楽しんだのでした。