瓶詰のコーヒーを飲みながら

 昨日来店された珈琲狂から、ご自身が焙煎された瓶詰のコーヒー豆をいただきました。中身はブラジル、コロンビアなどのブレンド(詳細は覚えていない)で、ジャムが入っていたと思われる小瓶に52gが入っており、「これは面白いパッケージ!」だと感心しました。実用性からいえばコーヒー豆の量が少なすぎますが、こうした小瓶が並ぶ箱入りギフトがあれば喜ばれるのでは?などと想像してみます。

  今朝は、コーヒー豆の焙煎途中に、いただいた瓶詰のコーヒーを飲みながら、色々雑談している中で出た、新たに開業する人達のことについて思い出しています。同じ自家焙煎でコーヒーを提供する者として、私自身が開業までに取り組んだことや、考えていた内容と随分異なっているような気がして、年齢の違いなのか?コーヒー関連の仕事に関わっていなかったからか?などと挙げてみるも、正直分かるはずもありません。

 それぞれが夢や憧れを持って始めるわけで、短期間だけの真似事で終りたくはないのです。だからこそ、継続できる経営を前提で準備を行うのですが、一人で考えることには限度があり、誰かに相談してみたり、類似する店を見て自分に置き換えてみます。ただ、その際に気を付けなければいけないのが、肯定的な意見ばかり聞く耳を持ったり、上手く回っている店をばかり見ないことです。

 自分が新たな道へ進むためには度胸が必要です。勇気というよりも度胸という言葉が適当だと思います。迷えばいつまでたっても前には進めませんから、誰かに背中を押されたいと期待したり、成功例を見て大丈夫だと自分に言い聞かせ、クソ度胸で前に進みます。しかし、そんなものは何の根拠もないのですから、データや数字を正しく把握するしかありません。そのために、開業前には出来るだけ詳しく事業計画書を作成し、客観的に判断する材料を作るしかないのです。そこで不足するものを見つけて補えば、多少なりともリスクを回避することが可能です。むしろ、私は足らないものを幾つ見つけるかの作業を重点的に行いました。

 まだまだ開業から4年を迎える程度です。自分自身に言い聞かせるように、昨日の話を思い出しなが、瓶詰のコーヒーを飲みながら、自分に足らないものを探してみるのでした。