鈴鹿の森庭園へ

 この時期にAGF鈴鹿工場へ見学に行ったのには、実は、もう一つ理由がありました。それは、しだれ梅の庭園として知られる「鈴鹿の森庭園」の梅が見頃となるからです。
 「鈴鹿の森庭園」は、日本の伝統園芸文化のひとつであるしだれ梅の「仕立て技術」の存続と普及を目的とする研究栽培農園で、三重県津市に本社を置き、花と緑、水の事業に関連する様々な事業を展開する赤塚グループが運営しています。
 この庭園では、「呉服枝垂(くれはしだれ)」を中心に、匠の技と歴史が受け継がれた名木が約200本植えられ、毎年の開花時期に合わせ一般公開されています。ホームページの画像のように、残雪の鈴鹿山脈を背景に、桃色の大輪の花で彩られた早春の日本の美を堪能するはずでしたが、残念ながら雨の中では叶わず、傘をさしての散策となりました。
 梅の花に関する公園は数多くありますが、どれも背丈が3メートル程で、梅の木の数が多いものの、一本一本が見所のあるものとは言えません。しかし、ここの庭園では7メートル程の立派な名木ばかりで、全てが作品としての品格さえ感じます。
 梅の木は中国や日本で古くから親しまれたそうですが、”しだれ梅”は比較的新しく、江戸後期の文献に初めて登場し、現在では42種類ほどが確認されているんだとか。その中で、この鈴鹿の森庭園では、日本最古といわれる呉服枝垂れをはじめ、全国から集められた名木を楽しむことができる貴重な場所といえるでしょう。
 花粉症で苦しむ季節ですが、この素晴らしい光景を見ている間は安らぐ時間となりました。(雨のせいかな?)