〇〇の日

 1月9日は「ジャマイカ ブルーマウンテンの日」だったそうです。制定理由についてはココを見てもらえれば分かりますが、この日が制定されたのは昨年の事です。随分前の出来事に由来するにも関わらず、制定されたのが意外にも最近ですね。まあ、それなりの急遽制定された訳があるのでしょうが、その辺の事情はトンチを効かせて謎解きしてください。だって、1月9日は「とんちの日」でもあるのです。(19でいっきゅう、一休さんといえば「とんち」)

  お店ではブルーマウンテンのような高級(高い!)豆は販売していないので、「ブルーマウンテンの日」だとか、「数年おきにハリケーンが発生し生産がなかなか安定しないブルーマウンテン。そこで、勝ち残った縁起の良い豆ということで勝ち豆として受験シーズンにピッタリ!」などと、ジャマイカコーヒー輸入協議会(アタカ通商、MCアグリアライアンス、兼松、UCC上島珈琲、豊産業、ワタルの6社)みたいに売り込む気はありません。

 記念日と言えば、もう少し先になりますが、1月27日は「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」です。ユダヤ人強制収容所のアウシュヴィッツが解放された127日を忘れないため、2005111日に国連総会において、ユダヤ人の3分の1、そして無数のマイノリティーの人々が殺害されたホロコーストを再確認し、憎悪、敵対感情、人種差別、偏見がもつ危険性を永遠に人々に警告することを目的に採択されました。

 ならばと、以前読んだ『アウシュヴィッツのコーヒー コーヒーが映す総力戦の世界』(臼井隆一郎著)を再び読みはじめました。前回同様に、「はじめに」から少し苦味の効いた言葉が続きます。『戦争が総力戦の段階に入った歴史的時点で、戦時と平時が明快な区別線をもたなくなった。コーヒーを飲みたいという個人的な欲求が国民的欲求となり、それが国民的欲動となって植民地獲得の動きと化し、ついには世界総力戦に入り込む。そうなれば、一杯のコーヒーさえ飲めれば世界などどうなっても構わぬと考えていた人間が、どのような世界に入り込んで苦しむことになるかの典型例をドイツ史が示していると思われるのである。そして、そのドイツを見続けていると、その回りにアラビアやアフリカの国々が蝟集し、ついにはユーラシア大陸を貫いて極東アジアや日本をコーヒー色に染め上げる筈である。』 

さて、いつまでかかって読み終えることができるのかと思いながらも、ブルーマウンテンよりもリーズナブルで、そこそこ美味しいコーヒーを飲みながらページを捲るのでした。