お守りは気休め?

 先日、名古屋市名東区にある猪子石神明社へ参拝し、猪子石という地名に由来する牡石と牝石も巡り、腰痛にご利益のあるというお守りも受けたのですが、ここにきて持病の腰痛が悪化してきました。12月に入り忙しくなって疲れが溜まったことと、急に気温が下がったことが原因だと思われますが、猪のご利益はなさそうな気配です。(信じたい)そもそも、猪が腰痛にご利益があるのか疑問になり、調べてみることにしました。

 奈良時代の僧侶である弓削道鏡(ゆげのどうきょう)は、称徳天皇から特別に可愛がられ、太政大臣に、さらに法王にまでなりましたが、さらに皇位(天皇の地位)まで望むようになります。そんな時、「道鏡を皇位につければ國平らかにならん」と、宇佐八幡宮のお告げがあったという噂を耳にした称徳天皇は、和気清麻呂にお告げの真偽を確かめるため、九州の宇佐八幡宮へ行くよう命じました。宇佐八幡宮へおもむいた清麻呂は、「皇室の血筋でない道鏡は掃い除くべし」とする宇佐八幡宮の神託を持ち帰り、直接、天皇に申し上げたことにより嘘が判り、道鏡の野望は阻止されたのでした。

 これに怒った道鏡は、嘘を暴いた清麻呂を大隈国(鹿児島)に追放し、追っ手(刺客)を出します。清麻呂は、道鏡の追っ手に足の筋を切られて歩行困難になりましたが、突如現れた三百頭の猪に助けられ、猪の警護のもと宇佐八幡宮に再度戻り、お告げのお礼参りをすることが出来ます。そして、神からの啓示に従って霊泉(温泉)に入り、足を治癒することが出来たのです。その後、称徳天皇が没して光仁天皇が即位し、天皇家は安泰となり、道鏡は下野国(しもつけのくに)に流され、清麻呂は平城京に呼び戻されて、平安遷都などに尽力したといいます。

 確かに猪が清麻呂を守ったということですが、足が治癒したのは神から啓示のあった霊泉(温泉)に入ったからのような気がします。結局、温泉に入って療養する湯治で良くなったってことじゃないの?じゃあ、このお守りは気休め? 

そんな事を考えながら、いつも通っている接骨院に行くことにしました。