桜・紅葉・牡丹

 お客様からの情報で、豊田市小原町で11月1日から30日まで開催されている、「小原四季桜まつり」の桜が見頃になったと聞き、隣町から国道363号へ上がります。紅葉のライトアップの終わった曽木公園の横を通って、瑞浪市陶町の八王子神社の横から国道419号を走り、小原町で一番の見頃だと言っていた「川見四季桜の里」に到着しました。確かに、ここ数年で一番見事だと言われるくらい、斜面全体が桜色に染まり、所々に紅葉が散りばめられて不思議な季節感を味わうことができます。
 この小原の四季桜は、豊田市小原北町の藤本玄碩という医師が文政年間(1818~1829)の始めに名古屋方面から苗を求めて、植えたのが親木となって広まったものと言われており、現在では地区内の四季桜の本数は、現在約10,000本もあると言います。ですから、国道を走っていれば随所に桜を見ることができ、桜は春のものだと思っている感覚では、何か別世界に紛れ込んだかのような気分にです。特に、瑞浪市から上がってくる途中には長いトンネルがあるため、「トンネルを抜けると、そこは桜だった。」といった感じなのです。
 桜を楽しだ後は、そのまま下って香嵐渓まで車を走らせます。香嵐渓でも「もみじまつり」が11月1日~30日まで行われており、先日、カウンターに座った若いお客さんがデートに行ったと聞いていたので、見頃となったこともあって足を伸ばしました。できれば、期間中ライトアップが行われているので夜がいいのですが、大渋滞となることが分かっているため、日中の時間帯を選んでみたものの、平日にも関わらず近くまで来たけれど中々前には進めません。仕方なく1km程手前の駐車場に車を留め、少し長めの散策となりました。
 香嵐渓のもみじは約380年程前に香積寺11世住職の三栄和尚によって植えられたのが始まりで、長い間、香積寺のもみじと呼ばれ、親しまれていました。その後、昭和5年に「香嵐渓」と命名され、多くの人に愛され続けており、今日も待月橋までの道には出店が連なり、多くの人たちが歩いていました。紅葉を見ているのか人を見ているのか分からないほどの人混みで、足早に散策して別の場所へ向かいます。
 その別の場所とは、足助の古い町並み沿いにある老舗和食処「井筒亀(いづかめ)」です。ここで、ぼたん鍋(猪鍋)を食べることで、「桜」、「紅葉」、「牡丹」と花札のようになるわけです。しかし、ルールを知らない私には点数が有るのか無いのか分からないのですが、イノシシを参った最後には、イノシシを食べて締めくくり、来年年男となる自分への区切りとしました。