明智長山城跡散歩

 現在、東美濃を主な舞台とした朝ドラ「半分、青い。」が放送されていますが、まもなく放送終了となってしまうため、地元の東濃弁(テレビでは岐阜弁と言っている)が聞けなくなるのが残念です。その代わりと言ってはなんですが、2020年には、大河ドラマで明智光秀を主人公とした、『麒麟(きりん)がくる』が放送される予定になっています。
 明智光秀については出生に関することなど不明な点が多く、織田信長に仕えるまでの半生は謎に包まれています。そのため、幼少期に関連するといわれる場所が岐阜県内にもあり、①可児市瀬田、②恵那郡明智町、③山形郡美山町、④大垣市上石津町多良など、「我が町こそゆかりの地」と名乗りをあげている場所があるようです。
 特に、可児市の明智長山城(可児市瀬田長山)を出自の地とするもの、恵那市の明知城(白鷹城/恵那市明智町城山)を出自の地とするものとあり、この土岐市と瑞浪市を中心とした地を治めた、美濃の守護・土岐氏の一族ともいわれることから、大河ドラマで描かれる明智光秀に興味が湧いてきます。
 「日本大正村」で知られる明智町には何度も訪れていることから、毎年5月に名将光秀公をしのんで開催される「光秀まつり」や、「光秀学問所(現天神神社」、「光秀産湯の井戸」、「母・お牧の方の墓」などがあることは承知しているものの、ここは明知遠山氏の本拠であり、光秀を土岐明智氏の出自とするとつじつまが合わないこともあり、可児市の明智長山城跡や天龍寺が今後注目を集めるのかもしれません。
 そこで、今日は初めて可児市の明智長山城跡目指すことにし、自宅から車で25分程走って、花フェスタ記念公園の反対側へ曲がった所にある天龍寺に車を留めます。先ずは、寺の横を通って城跡公園の掲示板の地図を確認し、すぐ脇から続く石畳を歩くと明智城跡大手門が見えます。ここから山頂まで8分弱歩いたのでしすが、数日前の台風の影響もあって、枝葉が散乱し足をとられそうになりました。この坂は桔梗坂というそうですが、季節も秋とあって桔梗の花は見ることはできませんでした。
 山頂にたどり着くと林の中に明智城跡の石碑を見つけ、奥に作られた展望台から眺めてみるのですが、雨による霧で残念ながら何も見えません。本来なら田園風景を眺めて戦国の世に浸りたいところでしたが、反対側に見える団地の家々を見つけることになり、直ぐに現実へ引き戻されるのです。
 帰り道では天龍寺に立ち寄り、明智氏歴代之墓所をお参りします。傍らには真新しい437回忌の塔婆があり、丁寧に供養されていることが伺えました。寺社内には日本一大きな明智光秀公の位牌六尺一寸三分(184cm)がお祀りされているそうですが、声をかけても留守のようだったので、そのまま帰路に着いたのでした。さて、2年後は盛り上がっているのでしょかね?