アートアクアリウム

 今日は松坂屋美術館で開催されている「東海テレビ開局60周年記念 アートアクアリウム展 〜名古屋・金魚の雅〜」(7月21日~9月16日)を見に行ってきました。金魚といえば夏の涼を楽しむものですが、季節はもう秋に入り納涼気分ではないものの、月曜定休日の私にとっては、会期中無休という魅力に負けてやってきたというわけです。
 この人気のアートアクアリウムは日本各地で行われていますが、名古屋では4年振りの開催だそうです。和をモチーフにデザインされた美しい水槽の中を数千匹の金魚が舞い泳ぎます。中でも、江戸を象徴する大奥を表現した、幅約3mにも及ぶ複合的な作品「大奥」をはじめ、金魚と3Dプロジェクションマッピングで着物柄を表現した「キモノリウム」など、アートアクアリウムで人気の作品を見ることができました。
 金魚が華麗に舞い泳ぐ姿に、光、映像、音楽、香りなどの最新演出技術が融合し、幻想的な空間を演出しており、いかにも和を感じるものでした。「アート」と「アクアリウム」を融合させた「アートアクアリウム」の第一人者、木村英智氏は、「金魚はアートである・・」といっていますが、私はアートとしてよりも生き物として見てしまい、「餌はどうしているのだろうか?」「金魚のフンといえば細く長いものがお尻から繋がっているけど、そのへんの処理はどうしているのか?」などお尻ばかり見て、気になるところが沢山あります。
 金魚といえば愛知県弥富市が生産量日本一ですが、そもそも金魚は今から1500年以上も前、中国の晋の時代にフナが黒い色素を欠き赤くなった突然変異体が発見され、そのヒブナが現在金魚と呼ばれる世界のすべての金魚の祖先となっているそうです。金魚が中国から日本に渡ってきたのは室町時代末期のころのようで、国際貿易港として栄えていた堺に持ち込まれ、江戸中期の元禄(1688~1704年)には経済的に余裕が出てきた裕福な町民の間で金魚ブームが起こり、武士が副業として金魚の養殖を行っていたりしたようです。
 そうした長い歴史の中で、人間によって幾度となく交配さて作られた金魚を想像すると、やはりアートというより金を稼いできた魚にしか見えません。