田口護ファン

 久しぶりに遠方から来店されたお客様が、本棚から『コーヒー 味わいの「こつ」』を手に取って読まれていました。その後、他のコーヒー本を読んで帰られる際、「田口護さんのファンなんです。」と言われたので、「それなら、他にも何冊か田口さんの本がありますよ。」と声を掛けてみたものの、「ファン」という感覚が今一つ分かりませんでした。

 私自身、田口氏の本を何冊か読み、コーヒーの事や店の経営について学び、尊敬してはいるもののファンなのかと言うと、心酔するほどのものではないし、本人と直接会話をしたこともないので、本や講演会から受ける印象でしか判断できず、本人には悪いのですが、尊敬する人としか表現できません。(本人が読むはずないか)

 以前、ある自家焙煎店の店主の方が、「私は田口さんのファンになって、東京のカフェ・バッハまでアポなしで行ったことがあります。」という話を聞いたことがありますが、私が初めてカフェ・バッハに行った際には、田口氏に会いたいという思いより、店を見てみたいという方が強かったのです。

 もっとも、空の上の人のように遠く離れた人であると分かっているからこそ、「会いたい」とか「話したい」といった気持にならないのかも知れません。