ホタルの小径

 今夜は夕食のあとに一人車を走らせ、ホタルを見るために鶴里町の鶴里公民館まで行ってきました。妻も誘ったのですが、行く途中の道路が曲がりくねっているために敬遠されてしまい、結局、単独で向かうことになったのです。

 実は、6月16日(土)には鶴里公民館主催の「ホタルまつり」が開催され、地元の方が作る団子等の屋台があったり、プロが作る猪鍋が無料で振舞われます。また、公民館ではテノールコンサートが行われ、柿野温泉のペア入浴券が当たる抽選会もあったりするのです。しかし、人混みが苦手なこともあって、梅雨の晴れ間を見計らい、一足早くホタルを観賞しようと考えたわけです。
 鶴里町のホタルは、もちろん自然に生息しているのですが、ここまで数を増やすために10年以上前から、「鶴里ホタルの里づくりの会」や「鶴里公民館」の方が中心となり、ホタルの幼虫を約8ヶ月の間、水槽で飼育する里親を地元の小学生などに手伝ってもらっています。エサとなるカワニナ(巻貝の仲間)をホタルの幼虫に与えたりして、大事に育てられ成長した幼虫は、3月に川に放して、やがてサナギから成虫となって、この時期に川面に幻想的な光を放つのです。
 午後7時40分頃に鶴里公民館に到着し、公民館前に貼られた「ホタルの小径」の地図を頼りに歩いていきます。道の所々に「ホタルの里」のノボリが立っているので迷うことなく「ホタルの小径」にたどり着きますが、川面を覗いても光るホタルを見つけられません。「あ、いた!」と一匹光るホタルを見るけるものの、想像していた光景とは程遠いものでした。

 しばらく歩いていると、地元の方が三脚を立てて写真撮影の準備をしています。話をしてみると、「ホタルはこっち側には100匹はおるし、あんたが来た方には60匹はおるで。」「今日は風が強いけど、2日前くらいから多く出るようになったワ。」「ホタルは8時に出始め、一旦休んでまた9時によ~飛ぶ。」ということで、期待して8時まで待ってみると、本当にあちらこちらでホタルが飛び始めました。

 旅行ガイドブックに載るような、ホタルが乱舞するポスター的光景ではありませんが、子供の頃には普通に見られたくらいのホタルが直ぐ近くに飛んでいます。周りに誰もいないだけに、何だかこの空間を独り占めしたような気持ちになり、やはり早めに来て良かったと思うのでした。

 それにしても寒い!鶴里町のお客様から「鶴里はここより5度低い。」と時々言われていましたが、5度の温度差があるのかどうかは分かりませんが、半袖では長居できないような寒さでした。