端くれなので

  珈琲狂の「コーヒー関係者は必読!」というツイートを見て、一応その端くれという自覚があるで、読みかけの『スペシャルティコーヒー物語 最高品質コーヒーを世界に広めた人々』(著:マイケル・ワイスマン 日本語版監修・解説:旦部幸博 訳:久保尚子)を横において、「WORLD COFFEE RESEARCH」の年次報告書2017日本語版を読んでみました。
 この「WORLD COFFEE RESEARCH」(ワールド・コーヒー・リサーチ)というのは、本拠地をアメリカ合衆国テキサスに置く、世界的なコーヒー関連事業における非営利の研究機関であり、そのミッションは、良質なコーヒーを育み、保護し、その供給を強化するとともに、コーヒー生産者の生活を向上させることだとか。
そのために、
・コーヒーの品質向上
・コーヒー農場の生産性向上
・コーヒー生産者の収益性向上
を研究目的として、品種改良、遺伝学やゲノミクス、作物栽培学、植物病理学、知覚や化学、社会経済学といった分野における高度な応用研究を活用し、気候変動や害虫、病気をはじめとする重大な脅威に取り組んでいるよこれまでうです。
 これまでは、米国スペシャルティコーヒー協会(SCAA)とワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)が共同開発したフレーバーホイールでの印象しかなかったので、今回の年次報告書を読むことで活動内容が理解できました。
 確かに、コーヒー産地の農家にとっては、これまで「爺さんの代から、ずっとこの苗を植えているから。」といった、品種の知識すらなかったものから、「この土地にこの品種植えたら、病害にも強いし、気候にも合い、収穫量も増えて儲かる!」という知識を得ることが出来きます。けれど、その苗をどうやって手に入れるかとなると、やはりワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)から買うことになるんだろうな。
 そう考えると、アメリカによるコーヒー苗の独占販売となりそうで、またもや市場をアメリカが支配するんじゃないだろうかと勘繰って見たりするのでした。それと同時に、2050年には美味しいコーヒーが飲めなくなるんじゃないかと危惧しながらも、この世にいない自分も想像してみるのでした。