DEEP45で遊ぶ

 お客様から、「三洋産業から新しいドリッパーが出たけど知ってる?」と聞かれ、ホームページを見てみると、ディープドリッパー【PRO】という新しいタイプの物でした。説明欄には、「深層濾過方式とは、濾過層(お湯がコーヒー粉を通過する距離)を長くすることによってコーヒーの旨味成分をより多く引き出す仕組みです。」とあり、円すいフィルターで深層濾過層を形成させるため、フィルターの角度を60度から45度に鋭角にして、コーヒー粉層の厚さで旨味を出そうということらしい。

 そこで早速、現物を取り寄せて見てみます。プロという名前が付いているように、家庭で使用するような1~2杯用は無く、3~7杯用の大きいサイズしかありません。円すいドリッパーでありながら開口部は六角形で、ドリッパーの壁面には線のリブではなく、点リブ構造になっています。

 さて、『プロのニーズに応える、ハイスピード&旨味抽出の両立』という触れ込み通りかを確かめます。

・コーヒーの層が深くなる

 60度から45度に鋭角になった訳だから、確かにコーヒー層は厚くなり、50gの粉を入れた場合、ハリオV60では6.1cmのコーヒー層が、DEEP45だと6.6cmのコーヒー層となって、お湯がコーヒー層を通過する距離は長くなります。

・ハイスピード

 ビーカーに250ccの水を入れ、ハリオV60とDEEP45にそれぞれ一気に注ぎ、水が200cc落ちた時間を計測すると、9秒と8秒でDEEP45が1秒早く落ちます。実は、4杯出しで抽出時間を計測してみたのですが、途中で豆を買う方が来店され計測できませんでした。でも、確かに早く落ちることは実感できます。

・旨味抽出

 コーヒー豆は、ドリッパーに同封されてきた三洋産業の喫茶店部門、「珈琲豆処      夢珈」の夢珈ブレンドを使用しました。ハリオV60で淹れたコーヒーと飲み比べをしましたが、苦みが少なく後味もすっきりしているものの、旨味が増したかは何とも言えません。

 従来の円すいドリッパーが約60度の角度になっているところに、あえて45度にした事は面白いけれど、コーヒー層の厚さと抽出速度のバランスには経験が必要だと感じました。それ以上に、「ディープ45」ってのが「リーブ21」と似てるので、全く関係ないのにハゲてる私には気になってしかたがないのです。