ペルーのコーヒーを味わう

 今日は早朝から電車に乗って、UCCコーヒーアカデミーの東京校で行われた、『ゲリラカッピング カップ・オブ・エクセレンス(ペルー編)』に行ってきました。お店では扱っていないペルーのコーヒーで、2017年カップ・オブ・エクセレンスのペルーの入賞ロットということもあり、自分自身にとって貴重なカッピングとなりました。
 講師はUCCコーヒーアカデミー専任講師の中平尚己氏(異動で専任でなくなるみたい)で、何度かセミナーに参加してることもあって、気楽にカッピングを楽しむことができ、バラエティーに富んだ品種や、プロセスの違う風味豊かなコーヒーを味わいます。

 ペルーは南北にアンデス山脈が縦断し、その山脈西側に広がる海岸地帯(全土の約11.7%)、中央の山岳地帯(全土の28.0%)、東側の森林地帯(全土の約60.3%)の3つの地域に別れ、沖合は栄養塩を多く含むフンボルト海流により世界有数の漁場を形成しています。また、海岸地帯は、さとうきびやアスパラガスの生産や養鶏が盛んであり、河川流域では米の栽培も行われています。山岳地帯では、伝統的な作物であるばれいしょの生産が盛んで、森林地帯ではコーヒーの生産が盛んな国です。

 コーヒーの生産量は約27万トン(2016年FOA調査)で世界第8位、農産物輸出入上位3品目(2013年)は、コーヒー、ぶどう、アスパラガスと並び、コーヒーは全体の16.3%を占めています。一軒あたり数ha程度の小規模な農園が治安の悪さやインフラ未整備などの問題を抱えつつも、世界第8位の生産量のほとんどを作り出しているのですから驚きです。また、有機栽培を基本とした上質なコーヒー作りが行われていることから、日本では味覚よりも有機栽培をPRした販売が多くみられます。

 ペルーのコーヒーは、欠点豆の数とそれを取り除く方法によってグレードが決まっており、グレードが低いほうから
・MC(MACHINE CLEANED/機械式の選別器に一回かける)
・MCM(MACHINE CLEANED MEJORADO/機械式の選別器に二回かける)
ES(ELECTRONIC SORTED/機械式の選別器にかけた上で電子式の選別器にかける)
・ESHP(ELECTRONIC SORTED & HAND PICKED/機械式選別器と電子式選別器にかけ、さらに人の手でハンドピックを施す)
と分類されているようです。その上スクリーンサイズ(20~14)で大きさによっても分類されるので、他の国に比べてやや複雑なシステムといえます。

 ペルー国内でもコーヒーは良く飲まれていますが、その方法がちょっと変わっているようで、カフェなどでコーヒーを頼むと、コーヒーカップにはお湯だけが注がれて運ばれてきます。一緒に置いていく小瓶には茶褐色の液体。これは非常に濃いコーヒーのエキスで、カップのお湯に注いで希釈することで通常のコーヒーとして飲むようになっているのです。
 このコーヒーエキスは工場などで作られているようですが、普通のドリッパーを使用して作ることもできます。作り方は、いつも通りにお湯を注いで蒸らした後にドリップしていきますが、抽出の途中でドリッパーをはずしてしまいます。サーバーにはドリップし始めの濃いコーヒー液が落ちているので、これを好みの濃さに希釈して飲ということなのです。豆の持つ成分のうち、後半に抽出される渋みや雑味がまだ落ちていないため、複雑さには欠けますが逆にすっきりとした飲みやすいコーヒーになるのです。これって、松屋式と同じ理屈な訳で、なんだかペルーのコーヒーに親しみが湧いてきます。

 カッピングの方は19種類もあるので、何度も繰り返していると前後の味覚が残ってしまい、結局もう一度カッピングし直すことになって、もう訳がわからなくなります。正式にスコアを付けることはしないので、楽しむことを目的に個性の違いを探しました。最後にジャンケンで今回のカッピングに使用した19種類の豆を参加者で分配し、私は1位:LA FLOR、7位:MANDOR、15位:LAS PIRCASの豆をもらったのです。おまけに、UCC直営農園のハワイ・コナ100gをお土産に頂戴し、帰ってからも楽しみが続くことになりました。