三日とろろ

 1月2日の朝は「とろろいも」を食べる習慣があり、一人早起きして芋をすりおろし、濃い目のだし汁を作って合わせます。

 この東濃地方では、2日の朝に食べる風習が残されており、「とろろいも」を擂る作業は昔から男の仕事として行われています。そして、とろろいもには青海苔を掛けるため、スーパーでは芋と青海苔が大量に販売され、中には青海苔が完売した店もありました。

 正月に「とろろいも」を食べる習慣は全国各地にあるようで、3日に食べる「三日とろろ」と言われているようです。とろろを食べると、長生きするとか、それから一年風邪をひかないとか、一年を無病息災で過ごせるとか、謂われはいろいろ有ります。また、山芋には整腸作用や滋養強壮作用があるとされることから、おせち料理のごちそうに疲れた胃をいたわり、仕事始めに備えた体力作りに功を奏してくれそうな風習のようです。

 こうした風習は、主に東北地方に伝わってきたとされますが、茨城・栃木・群馬といった北関東や、岐阜・尾張といった濃尾地方などの一部地域だけのようで、地域によっての違いは、例えば、福島では3日の朝に食べる、栃木では3日の夜に、濃尾地方では2日の朝に、といったとろろを食べるタイミングにあったり、とろろの調理法にあったりします。

 なにわともあれ、役目を終えて準備が整いました。さて、そろそろ家族を起こしましょうか?