世界一周散歩

 コーヒー産地を巡る世界旅行に出かけられないので、替りといっては規模が小さくなるのですが、愛知県犬山市にある、世界の家と暮らしをテーマとした野外民族学博物館「リトルワールド」へ世界一周散歩に行ってきました。※下記のコーヒー生産量順位はFAO(国連食糧農業機関)の2014年データによります。

①ペルー大農園主の家
 グアテマラに次ぐ生産量9位の国であるペルー。ペルー国内の主なコーヒーの産地はフニン、カハマルカ、クスコ、サン・マルティン、アマソナス、パスコ、プーノ、アヤクーチョの各州です。これらの産地で共通しているのは、肥沃な土壌、年間を通じた一定の湿度、摂氏20度から30度で安定した気温など、コーヒーの木の成長に理想的な自然条件を有していることです。
②インドネシア トバ・バタックの家
 コーヒー生産量4位のインドネシアですが、生産品種はロブスタ種が中心で、全体の90パーセントを占めていおり、特にジャワ島で生産されるジャワ・ロブスタは、ブレンドの際の好適品としてよく利用されています。アラビカ種はスマトラ島、スラウェシ島を中心に生産されており、スマトラ島のマンデリンは世界的にも評価は高く、インドネシアを代表るコーヒーとして知られています。
③ケニア レンディーレのテント
 コーヒー生産量20位のケニアですが、北部の砂漠地帯でラクダの遊牧をするレンディーレのテントのある場所から、中~西部の標高1000メートル以上の高原地帯でこうした地域でコーヒーが栽培されています。
④タンザニア ニャキュウサの家
 コーヒー生産量は21位で、タンザニア南西部の山地に住む農耕民、ニャキュウサの家の方にもコーヒーは栽培されているようですが、やはりタンザニアといえば「キリマンジャロ」コーヒーの故郷である、北部高地のキリマンジャロ山の山間部が有名です。

⑤インドケララ州 地主の家
 意外と知られていないのが、コーヒー生産量6位のインドです。インドのコーヒー栽培は400年以上も前から行われており、世界中のコーヒー産地の中でも有数の歴史と伝統を誇ります。17世紀後半、聖職者ババ・ブータン(Baba Budan)師が7粒のコーヒー豆を中東はイエメンから持ち帰ったことが始まりと伝えられています。そんなことから、コーヒー産地名、Baba Budan Hills (ババ・ブダンヒルズ)の由来にもなっています。インドでのコーヒー栽培は以前はロブスタが中心でしたが、アラビカの栽培が盛んになり、カルナータカ州、ケララ州、タミル・ナドゥ州の3州を中心とした標高1000メートル以上の高原地帯ではアラビカも栽培が行われています。

 もちろん、他の国々の展示施設も見て回りましたが、やはり目に止まるのはコーヒー産地の国ばかりです。ネパールやタイなどの生産量の少ない国も見ながら散歩して、開催中の「世界のパン祭り」にちなんだパンをお土産に購入して帰路につきました。

 ちなみに購入したパンは、・イタリアの固焼きパン「アルベロベッロ」・ブラジルの鶏肉とクリームチーズの入った「エル・パティオ」・トルコのピザの原型と言われる「クルピデ」・アフリカンプラザで買った、ダチョウの肉の入った「サバンナパン」です。