みつけた感

  土岐市、瑞浪市エリアに配布される、地域密着型の無料タウン情報誌があります。その名は「月刊らせる」で、 小学生からお年寄りまで、幅広い世代をターゲットにし、地域に密着した特集のほか、グルメ、イベント、ファッションなど、とことん地元にこだわたった生活情報を掲載するというものです。

 この情報誌は、岐阜市に本社のある株式会社中広のフリーマガジン事業で行っているもので、地域みっちゃく生活情報誌を発行し無料で各家庭に配布する形態で、今では30都道府県、計132誌を発行する急成長の紙媒体です。(画像を勝手に載せたから、これぐらい褒めればいいかな。)

 ネット情報が氾濫する世の中でも、こうした紙媒体の情報や広告は存在価値があり、我が家でも毎月の発行を楽しみにしています。地元にいても知らない間に新しいお店がオープンしていたり、意外と気づかなかったローカルな話題など、家族の中では意外に重宝しているのです。

 その「月刊らせる」の営業社員が先日訪問し、「下石町の会社を特集するので、マップにお店を紹介しませんか。」との話でした。もちろん丁重にお断りしました。これは開店当時から決めていることで、口コミを一番大切にし、タウン誌などに広告を載せないと決めていたので、以前に訪問してくれた社員にも断る意図は説明していました。

 広告の効果はあると思うのですが、あくまで一時的で継続性がなく、珈琲屋という認識で来店されません。先日も、「お茶とケーキのセットで20名予約したいんですが?」という電話があり、「席は15で、一人でやっているので少々時間がかかりますよ。」と話すと、たいそう驚かれました。経営的には大変うれしいものの、お店の目指す形態とのバランスは難しいものがあります。そのためには、お店のファンとなった方からの口コミがとても意味があると思っています。

 FC店や従業員を雇うような規模のお店ならともかく、一人で全て行うことを条件にしている訳ですから、お客様の増やし方には工夫が必要で、「みつけた感」を持ってもらえるような満足感や、知らない人に「教えてあげた満足感」が大切な要素になります。それ以上に、実際の来店の際の満足感と信頼を得ることが一番重要なのです。この点が毎日の課題であり、ずっと続く課題であると考えています。でも、それも楽しいと思えるようなポジティブな発想を心がけるようにしています。だって、人生を楽しむために開業したのですから。