アイスコーヒー用の豆は?

 土岐市の最高気温は36℃だそうで、外の様子を見るために店のドアを開けると、熱風のような空気が体に注ぎます。思わず「暑っ!」と言葉が漏れてしまいます。

 そんな日にも関わらず、コーヒー豆を買い求めるお客様があり、ただただ感謝するばかりです。今日は、そのお客様の数名から、「アイスコーヒー用の豆は?」と尋ねられたので、少し書き留めたいと思いました。

 暑くて、のどが渇いた時には氷を一杯入れたアイスコーヒーが飲みたくなりますね。珈琲屋さんには「アイスコーヒーブレンド」といったアイスコーヒーにお勧めの商品が販売されていますが、アイスコーヒーにはアイス専用の豆がある訳ではありません。普段飲んでいるコーヒーを冷たくすればアイスコーヒーになるので、冷やした状態のコーヒーのどれが好きかという選択肢になります。確かに、氷を入れて飲むアイスコーヒーは、時間が経過すると氷が解けて水っぽくなるため、あらかじめ深煎りの豆を使用して濃い味にしている物も多くあります。だからと言って、深煎りに限定した豆選びをする必要はありません。

 ただ、味覚の感じ方は温度によって変化することを理解し、普段温かい状態で飲んでいるコーヒーとは異なる味わいになることを事前に把握し、アイスコーヒーとして飲む豆を選択する必要があります。味の基本となる塩味、甘味、酸味、苦み、の四つの味は、体温を中心にした温度で変化すると言われ、塩味は温度が高くなれば柔らかく感じ、甘味は体温と同じ温度帯が一番甘く感じ、低くても高くても甘味は低下します。酸味は温度による変化が一番少なく、苦みは体温から低くなると強く感じ、高くなると柔らかく感じます。

 とは言うものの、実際に多くの豆でアイスコーヒーを作って飲んでみるのが一番です。だってコーヒーは飲み物なんだから、飲んでみなければ自分が好きな味かなんて分からないんですから。