おまじない

 先日、家のトイレに入ると、窓際に紫陽花の花が逆さに吊るしてありました。「なんだこりゃ?」と母親に尋ねると、知人から聞いた「おまじない」だそうで、早速やってみたんだとか。母親の話から調べてみると、確かに「おまじない」として紫陽花が使われているようですが、吊るすまでの手順や吊るす日にちまで決められており、そもそも母親が期待するような効能ではないことが分かりました。何だかガッカリした気持ちと気まずそうな顔をした母親なのでした。

 コーヒーについても「おまじない」は色々あるようですが、2006年3月に公開された映画「かもめ食堂」(監督:萩上直子)では、サチエ(小林聡美)が開いたお店の前の店主がやってきて「もっと美味しいコーヒーを淹れてあげる。」と淹れ方を教えます。その際、ドリッパーに粉を入れ整えたら、人差し指で粉を抑えて、おまじないを一言「コピ・ルアック」と言うシーンがあるのですが、映画の舞台であるフィンランドは確かにコーヒーを多く飲む国ですが、「コピ・ルアック」なんていう「おまじない」はなく、監督が脚本を書く際に思いついた言葉なので、コーヒーが美味しくなる根拠などないようです。

 そもそも「おまじない」には科学的根拠などないのですが、調べてみるとコーヒーにまつわる「おまじない」が幾つか見つかりました。

■気に入らない上司を異動させる

 職場の給湯室で、一人きりになりコーヒーの臭いを嗅ぎながら、「どうか私のいない場所に行ってください。」と唱え一口だけ飲み、それを飲み込み終わったら、「お互い違う場所で輝きましょう。」と唱えコーヒーを全て排水口へ流してしまうんだとか。

■恋を長続きさせる

 コーヒー豆を2粒、一日、日光に当てておきます。彼と彼女、それぞれの星座のマークを刺繍した小袋を一つずつ作り、コーヒー豆を1粒づつ袋に入れてお守りにすると恋が長続きするんだとか。

■コーヒーカップの中の満月を

 満月の夜、コーヒーをたっぷり注いだカップを用意します。月の見える窓辺で、満月をそのカップに映しましょう。そして、コーヒーを飲み干せば、満月の力が取り込まれて願い事がかなうとか。

 効果の程は分かりませんが、コーヒーの楽しみ方が増えることはいいかもしれません。でも、私は何も考えないでコーヒーを飲むだけなんですがね。