八王子へ

 お店を臨時休業にして出かけた場所は八王子です。長女夫婦が昨年に八王子へ転居し、新たな住まいとなったアパートを初めて見ることと、妻の父親が産業殉職者霊堂(高尾みころも霊堂)に分骨されているため、お参りにいくためです。

 元来、車での長距離移動が苦手で、4時間以上も運転することに抵抗があった上に、今回はギックリ腰が完治していない中での旅行となったため、妻と途中で交代しながらの道中でした。尚且つ主要なサービスエリアごとの産品を見たいと妻が希望するため、計画以上に時間がかかってしまい、結果的に昼食も取らぬまま長女夫婦と会うことになってしまいました。おかげで、四人での夕食で飲んだ僅かなお酒に酔ってしまうことになり、だらしない父親を演じることになったのです。(いつものことですが。)

 主要な目的を果たした翌日は高尾山への登山です。登山という表現は大げさになりますが、山登り初心者としては服装やリュック等の装備品も準備し、腰痛を心配しながらのスタートします。当然ですがケーブルカーでショートカットし、たこ杉を横目に山腹にある高尾山薬王院有喜寺を通る階段を登ります。イラストマップではあっけないほど短かいように思えますが、実際には1時間少々の時間を掛けて山頂に到着となりました。

 山頂までの登山客は9時頃から登り始めたこともあって少なく、私たちよりも高齢な人がほとんどですが、動きは軽くて経験豊富に見えます。帰り道はカツラ林コースをゆっくり歩いてくると若者や家族連れが多く、前日の日曜日に参観日があったようで、月曜日が休みとなった児童の姿も多数見られます。想像以上に家族がハイキング気分で登る様子に、気負って挑戦した自分たちが気恥ずかしくなりました。

 中腹の茶屋で団子を食べながら晴れ間から望む町並みを見ると、遠くにスカイツリーを見ることができ、首都圏の代表的な観光地であることを改めて知ることになります。木々の間に流れる心地よい風に腰痛もいくらか和らいだように感じ、無事に下山することができました。下山後にはお腹を満たすため、参道にある老舗の蕎麦屋で名物のとろろ蕎麦を食べ、八王子での予定を終えるのでした。