花びらは美味しくなるのか?

 昨年秋に発売された三洋産業の「フラワードリッパー」を取り寄せてみました。三洋産業は大分県別府市にあるコーヒー関連総合メーカーで、もともとは、世界で一番最初に円錐形のペーパーフィルターを開発した会社であり、国内有数のシェアを占めています。

 コーノやハリオのペーパーフィルターを作っていたりしていましたが、今ではコーヒー豆の焙煎から喫茶店の運営やコンサルティング事業を始め、抽出器具等の販売にいたるまで、コーヒー関連の総合企業という訳です。

 その三洋産業が作ったのが、ドリッパー内部のリブ(溝)を花びら形状にして、そこに生まれる空気層が布フィルターのような膨らみを再現する「フラワードリッパー」です(メーカーのチラシによると)。今回手元にあるのが有田焼の磁器製とAS樹脂製の2種類ですが、確かに上から見ると花びらのようで見た目がいいです。実際に抽出してみても、抽出後のコーヒー層の周りが花びらっぽく見え、なんだか向日葵をイメージさせます。味はどうかといえば、他の円錐ドリッパーと比べて美味しくなるかと言えば、「微妙?」ってところが正直な感想です。

 円錐ドリッパーは各社色々販売していますが、リブの形状や数によって濾過速度に違いがあるものの、それを理解したうえでコーヒー粉の量や注湯量を調整すれば

良いわけで、コーヒーその物のが美味しくなるかはコーヒー豆しだいだと思います。どんな抽出器具を使っても、不味いコーヒーを美味しくさせることは出来ないのだから。