自作手廻し焙煎機

 「焙煎機を見てください!」そう言って店に入ってきたのは馴染みの男性客です。鉄工所に勤めている彼は、手網焙煎を始めたことをきっかけに、煎りムラが無くて上手に焙煎できる方法はないものか考え、勤務先の鉄工所から出る廃材をコツコツと集め、自作の手廻し焙煎機を作ったのでした。

 「どうですか?」そう聞かれても具体的に答えることも出来ないため、「面白そうだから使ってみようか!」と早速店内で実際に焙煎をしてみることに。ところが、「はて?」生豆を入れるところがありません。作った本人によると金枠のネジを外して出し入れするとのこと。???「そりゃアカンわ!」ドラムの軸が細すぎて一粒づつしか入れられないし、煎り止めしてもスグに冷却できないから焙煎が進んでしまうという構造でした。

 全く知識のないところから作り始めたわりには、ガスコンロの五徳の形に合わせた台座や、パンチングメタルのような直火式のメッシュの入った長方形のドラム、豆が均等に攪拌されるようにドラムの内部に羽を付けたりと、ネットの情報を彼なりに工夫して加工してる事が良く伝わる作品になっています。さらに、内部の温度が分かるように温度計が入る差込口も付いています。お世辞抜きで正直、中々の力作なんです。

 「焙煎直後は熱くてネジが外せないんですよね。」そうでしょ!そうでしょ!見た目はバッチリだけど使えないよね。そんな訳で、焙煎機に必要な構造をネットの自作焙煎機の画像を見せながら説明していきます。他にお客様がいなかったので二人は子供のように焙煎機とコーヒーの話をすることになりました。

 ちなみに、鉄工所から出た廃材で作った手廻し焙煎機は、手回し部分のノブをホームセンターで買った以外はタダ!お見事です!今後、どのように改良さっるのか楽しみ。楽しみ。