ニュージランドのコーヒー事情

 昨日の夕方、コーヒー豆を求めて女性が来店されました。久しぶりの来店であったことや、選ぶ豆に迷って見えたので、試飲をしてもらいながら話をすることに。彼女は昨年の春までニュージーランドで生活し、つい最近も休暇でニュージーランドで暮らす友人の所に遊びにいっていたとか。そこで、ニュージーランドのコーヒー事情について色々と聞いてみました。

 もともとイギリスの植民地であったお国柄か紅茶の文化圏なのですが、20数年前からイタリアやフランスからの移民の増加と、アメリカの影響でコーヒーブームとなり、街には多くのカフェやコーヒースタンドが並んでいるようです。彼女が住んでいたオークランドにはスタバもあったのですが、さすがに地方には無く、地元のカフェチェーンが幅をきかしているそうです。ニュージーランドには日本で一般的なペーパードリップは無く、ほとんどのカフェがエスプレッソを出しており、家庭用にコーヒーメーカーも普及していないので、日常生活ではプランジャー(コーヒープレス)が主流です。家ではプランジャー、外ではエスプレッソという感じなんだとか。

 それでもって、カフェのコーヒーメニューも独特で、カフェで普通に「コーヒー」をオーダーすると当たり前に出てくるのは「フラットホワイト」と呼ばれる甘くてクリーミーなラテのようなもの。早く言えばラテのスモールサイズです。日本のようなブラックコーヒーが飲みたい場合は「ショートブラック」か「ロングブラック」を選択しますが、「ショートブラック」はエスプレッソのことなんで、死ぬほど濃厚なエスプレッソが出てくるそうです。

 それで「ロングブラック」にすると、店によってはさらにMサイズとLサイズがあり、エスプレッソとお湯が出てきて、好きな濃さに割る仕組みだとか。これも、お店によっては、既にお湯で割ったものが出てくることも。日本のようなコーヒーが飲みたいのに、エスプレッソとお湯が出てきて大変がっかりしたそうです。

 スーパーにはニュージーランド国内で焙煎されたコーヒーが多く販売されていますが、産地にこだわるような人はほとんどいないらしく、正直あまり美味しくないそうです。そんな彼女が現地在住の日本人家庭に遊びに行った際、ご主人が日本から持ってきたコーヒー生豆を自作の手回し焙煎機で焙煎していたコーヒーの香りに魅了され、自らも生豆を譲り受けて手網焙煎を始めたそうです。日本に帰ってからは手網焙煎は止めたそうですが、コーヒーを淹れるときにはプランジャーを使用していました。けれど、最近になってペーパードリップを始め、毎回抽出に格闘しながらハンドドリップを楽しんでいるそうです。

 カフェで働く日本人も増えてきたようで、ニュージーランドのバリスタ大会でも日本人バリスタが上位に入るそでうです。ただ、彼女曰く「酸っぱいコーヒー」が多いんだとか。ニュージーランドもアメリカの影響を大きく受けているようですね。

 カウンター越しに、楽しい会話を満喫したしだいです。