〇〇ベルト

 〇〇ベルトっていうと、牛皮ベルとやワニ革ベルトではなく、コーヒーベルトと呼ばれる赤道を挟んで、北緯25度・南緯25度の範囲で栽培されている、コーヒーの木の生産国エリアのことです。 

 先日、あるテレビ番組を見ていたら、「バナナベルト」や「カカオベルト」なんていう話をしていました。「バナナベルト」とは、赤道を挟んで南緯30°から北緯30°の間で栽培されているバナナの生産地帯のことで、フィリピンのミンダナオ島から日本のバナナの9割を輸入しているようです。そして、赤道を挟んで北緯20度から南緯20度までを「カカオベルト」と呼び、この地域で世界40か国がカカオを生産し輸出しています。 

 バナナとカカオもコーヒーと共通するのは、赤道近くの熱帯・亜熱帯地域で栽培され、そのほとんどが新興国で栽培されていることです。さらに、栽培エリアが限定されていることから、需要と供給のバランスが崩れてしまうと手の届かないものとなりえることです。 

 実際、テレビ番組では、バナナの木が新型の伝染病により、黒ずんだりして枯れる被害があり、雨や人の靴を介してどんどん拡大しているといいます。また、カカオの方は、中国・インドなどの新興国の需要が伸び、カカオの需要が供給に追いつかずに値段が高騰し、生産国のインドネシアやメキシコでは、カカオ農家の囲い込み合戦が起こっているそうです。

 コーヒーにおいても同じようなことが起こっており、葉を枯らす「サビ病」や、コーヒーの実に卵を産む「CBB(コーヒーベリーボーラー)」などの病害虫の問題や、カカオと同じように新興国の急激なコーヒー需要など、コーヒーがこれまでと同じように飲めるのか気になることもあるのです。

 バナナやカカオについては国産化という方策も行われているようですが、価格がとんでもなく高いうえに量産化に限界があります。コーヒーは観光用に国内で栽培されていますが、高品質のコーヒーにはならないのが現実です。将来、バナナやチョコレート、コーヒーが一部の高所得者だけが楽しむ物にならなければ良いのですが。