有機栽培コーヒー

 昨日来店されたコーヒー好きのお客様から、「有機栽培のコーヒーは美味しいの?」って尋ねられました。一瞬戸惑いましたが、「そもそも有機栽培は美味しい美味しくないではなく、農薬を使わないから環境に負荷を残さないなど、地球レベルでのサステイナビリティーの話ですから。」と答えました。

 有機栽培コーヒー豆はオーガニックコーヒー豆と言われ、普通のコーヒー豆と、豆自体は何も変わりはありません。一般的にオーガニックとは、農薬や化学肥料を使わない農業・農法のことを言い、農薬や殺虫剤、化学肥料などを使わずに、自然(オーガニック)な方法で栽培されたコーヒーをオーガニックコーヒーと呼んでいます。最近の健康ブームも相まって食品の安全に気を使う人が増えおり、そのような需要を受けて、嗜好品としてのコーヒーにもオーガニックな豆を取り扱うお店が増えてきました。

 日本だと「オーガニック」は健康に良いイメージや品質が良いイメージがありますが、「オーガニック」という認証は栽培方法を中心に検査しているので、「農薬を使わないから環境に負荷を残さない」ということは証明できても「品質が良い」とか「健康に良い」ということとは、基本的に関係がないのです。そもそも農法のことですので、「オーガニックだから美味しい」というのは説明がつきません。

 日本で有機栽培と言えば、カルガモ農法のように高い技術と手間が必要ですが、コーヒーの場合は「手間をかけずに、ただ放置しているだけ」のコーヒー農園がオーガニックの認証をとることも出来るのです。確かに農薬を使わずに努力をしておいしいコーヒーを作る農園もあるようですが、何の努力もせずに放置しているだけの農園も多数存在し、実際に区別がつかないことが一番の問題だと思います。「オーガニック認証があれば高く売れる。」そこだけに目を付ける人もいるのです。

 ちなみに、オーガニックコーヒーであるための認定基準は、過去3年以上の期間、農薬、殺虫剤、化学肥料などを未使用の土地で採取されたでものあること。また、コーヒー豆の加工工程においても添加物、加工補助剤等の使用していないことなどの基準が設けられています。このような認定基準をクリアした珈琲豆には、USDA(オーガニック認定全米統一基準)をはじめとする、世界中に多く存在する認証団体がオーガニックコーヒーを証明するラベルを付けることを認めるのです。