エチオピアは大丈夫か?

 アフリカの政情不安については9月にも書きましたが、コーヒー産地のエチオピアの状況が気になるところです。そんな時に、生豆商社のブログに心配な記事がありました。『イルガチェフで多くのウォッシングステーションが焼き討ちにあいました。その画像掲載しているWEB参照情報です。(記載事項の真偽はわかりません。)』リンク先のブログを見ると生々しい画像にショックを受けてしまいます。ちなみに、ウォッシングステーションというのは、各農家からコーヒーの実を集めて水洗処理後に乾燥し、コーヒー生豆として精製する加工場のような所です。この施設が破壊されてしまうと、せっかく実ったコーヒーも手に入れることができなくなるのです。今年は生育良好で期待されていたニュークロップとなるはずでしたが、収穫・集荷の労働力、ウォッシュ加工能力の低下による品質懸念が危惧されるのです。

 そもそも、エチオピアでオロモ民族による政府へのデモ抗議活動が繰り返し頻発しているのは、エチオピア帝国建国以降、政府の中枢を支配しているのがアムハラ人であり、エチオピア最大の民族がオモロ族であるにもかかわらず、政府からは常に冷遇を受けていることが根底にあるようです。こうした長年の不満が、昨年のアディスアベバ総合開発マスタープラン計画(首都拡大計画)により、住民の立ち退き問題に端を発したデモ活動につながっています。

 今月には非常事態宣言と厳戒令が発動されるなど、先日のコーヒーセミナーで川島さんが移動や活動の制限がされているエチオピアの状況を話されましたが、インターネット、携帯電話回線も不通になるなど現地と連絡が付かないことも起きているようです。

 私のお店でもエチオピアのコーヒー豆を扱っていますが、定期的に購入されるお客様が少ないため、在庫がある間はしばらく大丈夫だと思いますが、来春以降の入荷がどうなるか気になるところです。