焙煎体験会を楽しむ

 色々と準備をしてきた1回目の焙煎体験会が、なんとか無事に終了しました。できるだけ全ての工程を経験してもらおうと、詰め込み過ぎた感はありますが、自分の口に入るコーヒーについて、少しは考えていただけるようになったのではないかと思います。

 2時間という時間制限がある中で、最低限知って欲しい内容をもあるため、プロジェクターを使って動画を流したり、簡単ない資料を基に説明して、コーヒーの基礎知識を学んでもらいました。

 次に、自分が焙煎する度合いを決めてもらうため、4種類の焙煎度の異なる豆を試飲してもらい、焙煎度による味覚の変化を理解してもらいます。煎り止めの判断がしやすいハゼのタイミングに合わせて分けたので、大まかな目安ができます。

 そして、一番重要な焙煎機の取り扱い方法を何度も触って確認してもらい、点火から温度調整まで参加者一人で操作してもらいます。初めての経験のため、時間と温度の管理を記録する人、1分間ごとの温度を声かけする人に担当を分けましたが、初対面の参加者にも関わらず、チームワークよく作業が進みます。3回目の焙煎ともなると、温度上昇の変化にも注意深くなり、積極的な意見も出るなど、大いに盛り上がりました。

 煎り上がって冷却されるコーヒー豆を見ながら、「上手く焙煎できてる!」と見入る様子は子供のようで、微笑ましくなってしまいます。3名とも自分の狙った焙煎度に仕上がったようで、よかった!よかった!

 焙煎したコーヒー豆は、お店で行うように欠点豆を取り除いてもらいます。品質の高い豆なので欠点豆は少ないものの、実際こうして袋詰めされている事を知ってもらう良い機会になります。「面倒なことしているんですね~」この言葉を言っていただけるだけで、毎日焙煎の度にやっていることが報われる気がします。

 最後に、それぞれ焙煎したてのコーヒーを淹れての試飲です。「美味しいわ!」「明日から家での一杯が特別なものになる!」こんな言葉が参加者の皆さんから聞けただけで、このイベントのために準備してきて本当に良かったと思えるのでした。焙煎体験会を楽しんだのは参加者の皆さんではなく、結局私自身ということになりましたね。