かむろば村へ

 映画『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』(監督:松尾スズキ、主演:松田龍平)を見ました。おもしろかったので、原作となっている、いがらしみきおの漫画『かむろば村へ』を読むことに。ほとんどの場合は原作の方が面白いので思わず中古本を注文してしまったのです。

 かむろば村は人口491人の限界集落で、友人が住む長野県売木村は、289世帯、人口 587人 (平成28年5月末現)であり、親近感を持ったことと、「何も売らない、何も買わない、なにもしないで生きてゆく、」を理想に描く元銀行員でお金アレルギーの高見に対して、「そんなの無理だろ!」と思いながらも、なぜか共感してしまう部分があったこともあり、引き込まれて一気に読み終えてしまいました。

 「迷ったら自分なんど捨てですまえ。そすたら道も拓けるもんだよ。」「かむろば村ではな、なーんでも解決すんだ。ただな、おめが思ったようぬは解決すねど。人間が神様さお願いするみでな、都合のいい解決ではねえっつうごとさ。んでもな、必ず解決すっから安心すろ。」「神様っつうのはそういうもんさ。なぬもすねえもんさ。人間はなぬがすてすまうべ。」「ただ生きて行く」等々、沁み入る哲学満載の数々に思わず頷いてしまいます。神様が死んでしまう突飛な展開ですが、神様だって死ぬんだから人間も必ず死ぬことに目を背けず、今を生きるってことを笑いながら考えさせてくれます。 

 あとがきで作者がこんなことを書いています。『昔なら、金を捨て、モノを捨てる人間を清いとか聖人だとかいったが、今はただ迷惑でうざったいだけだ。でも、もしそんな奴がいたら、というのが作品の動機だった。そもそも今の世の90%を金とモノによる苦労が成しているとすれば、彼には残り10%の苦労だけがふりかかるだろう。残り10%の苦労とは何か。生きがい、老い、死、愛、お金じゃどうしようもない問題。』

 売木村で、その10%の苦労と楽しみながら向き合っている友人と、ふるさとで90%のものに背を向けながら、楽しみだけを生きがいに珈琲屋をしている自分。形は違えど、同じようなセカンドライフを早めに始めた二人の生き方に、何だか共通しているように感じたのでした。

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コメント: 2
  • #1

    ぞーーり (土曜日, 25 6月 2016 06:43)

    おはよー(^o^)v。

    好きなことには積極的で、今日も早起きしてま~~す。
    そのうち90%の方にもつなげたいんですけどねぇ。

    北海道も良いね~、楽しみですねぇ

  • #2

    まめ藏 (土曜日, 25 6月 2016 07:01)

    「ジヌよさらば」とまではいかないものの、ジヌに距離を置いて生活するのがセカンドライフのコツだと思っています。好きなことを好きなだけできるのも時間制限があるので、それまでお互い楽しみましょう!