当たり前の日常

 4月4日からNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』がスタートしました。我が家では毎回録画し、夜に夫婦揃って見る習慣が何年も続いています。

 朝ドラの中で語られるセリフの中に、毎回心に残るものがあるのですが、今回は小橋家の父親である竹蔵の言葉が印象的です。「当たり前にある毎日でも、それはとっても大切な一瞬の積み重ねだと思っています」「当たり前にある日常はかけがえのないものですから」と、家族を深く愛し、共に過ごすことを大切にする姿が描かれています。

 「当たり前の日常はかけがえのないもの」という言葉に、私と妻も「その通り!」と同時にうなずいてしまったのですが、そうやって強く感じるようになったのは、やはり東北震災と妻の入院生活が立て続けに起きたからかもしれません。当たり前の日常は災害や病気などで一瞬のうちに崩れてしまうものだと経験したからこそ、現在の生活を大切に過ごすようになったのです。

 朝ドラの放送開始後間もなく、現実に熊本震災によって当たり前の日常を失った人たちがいます。毎日流される災害情報や避難所での生活ぶりを見ても、自分には何もできない虚しさを感じますが、今は祈るくらいしかできません。同時に、自分の置かれている環境に喜びを感じ、毎日来店いただいているお客様へ感謝する気持ちを忘れないようにしたいと思います。今日も多くの方々にご利用いただきました。お店を始めて良かったと思える瞬間を味わえる喜びに、ただただ感謝するばかりです。