冷めたコーヒー

 コーヒーを美味しく飲むためには味覚を十分発揮させる温度が良いとされ、人が美味しく感じる温度はだいたい65℃くらいだと言われています。人も持つ味覚機能が幅広く発揮でき、美味しさを充分に感じ取ることが出来ることを考えて、わざわざ65℃くらいで提供している店もあります。逆に苦味しか感じられないアツアツのコーヒーを出すところもあるのですが、香りに関して言えば温度以外にも、どのタイミングで感じるかによって味わい方が異なるようです。

 香りについては色々な表現をされる方もあり、次のように別れるようで、

「香り」嗅ぐことで(鼻で)感じるもの
「含み香」口の中に入れた際に感じるもの
「戻り香」飲み込んだ後に感じるもの
「残り香」口の中に残り続けるもの

 などですが、この4つをそれぞれ分けて感じ取っている訳ではないと思いますが、なんとなく言われれば普段感じているものだと理解できます。こんな香りにもこだわるのは日本人らしさ故なのでしょうか。

 香りは暖かくないと感じませんが、コーヒーが冷めると、それまで感じにくかった酸味と甘みが引き立ちます。あえて少し残して冷ましてから飲むと、味と香りの変化を楽しむことができます。そして、不味いコーヒーは冷めるとハッキリと分かってしまいます。冷めたコーヒーでも美味しく飲めるように、お店ではスッキリとした抽出ができる松屋式を取り入れています。