ベトナム式コーヒー

 お昼に郵便局へ出かけるため、「ちょっと出かけてきます。10分ほどで帰ります。」というプレートをドアに引っ掛けて外出し、戻ってみると店主の帰りを待つ一台の車がありました。慌ててお店を開けて入っていただき、事情を説明しながらコーヒーを出しました。

 来店された数人は楽しそうに会話が弾んでいます。そんな時に、「今度ベトナムに仕事で行くんだけど、ベトナムのコーヒーってとっても不味いんだって!」という話題になりました。ちょうど少なくなったお水を注ぎにいっていたので、「よかったらベトナムのコーヒーを飲んでみます?」と声を掛けたところ、興味を持っていただけたので、他にお客様がいらっしゃらない時間を利用し、ベトナム式コーヒーをテーブルの上で抽出しました。

 使用する豆は、もちろんベトナムのロブスタです。濃い麦茶のような独特の豆の臭いを嗅いでいただいた後に、ベトナム製の抽出器具で練乳の入ったガラスコップにコーヒーを淹れます。練乳と混ぜる前にスプーンで味わってもらいましたが、全員が「不味い!」。けれど、練乳と混ぜたコーヒーを飲んだ後は「〇〇ドリンコの〇〇コーヒー!」「缶コーヒーの味がする!」との意見が。

 試飲をしていただいた後に、コーヒー豆にはアラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ)があり、それぞれどんな特徴があるかなどを説明したところ、大変興味を持たれたようです。コーヒーの知識が少し増えることで、これからのコーヒータイムが今までとちょっと違ったものになるお手伝いが出来たことを、帰りに際の「楽しかったワ!」という言葉に感じることができました。