コーヒーと山

 連日の猛暑で気温が37度を超える日も出てきました。全国的に有名になった暑い町の多治見市と隣なので、当然暑いのですが、イマイチ名前の出ない土岐市。アメダスを設置すれば立場が逆転するかもしれないんだから、設置運動が起きれば良いのにと勝手に思っています。

 そんな朝に珈琲の焙煎を行っていると、煙突からでる臭いに誘われるかのように、何匹ものスズメが店の前に植えたハナミズキの木の下に集まってきました。かわいい姿を見るとチョットほっとしますね。

 そんな日の夕方、コーヒー豆を購入されたお客さまから、「コーヒーって〇〇マウンテンっていうのが多いよね。」って話がでましたので、改めてまとめてみます。

 〇〇マウンテンというように、山の名前がついたコーヒー豆には次のようなものが有名でです。ブルーマウンテン(ジャマイカ)、キリマンジャロ(タンザニア)、クリスタル・マウンテン(キューバ)コーラル・マウンテン(コスタリカ)、マウント・ハーゲン(パプアニューギニア)、ガヨ・マウンテン(インドネシア スマトラ島北部)、エメラルド・マウンテン(コロンビア)などです。

 コーヒーは農産物であり、意外と気難しい植物です。雨が多くてもダメ少なくてもダメ。気温が低くても高くてもダメ。年間平均気温20度。いうなれば“日本の夏の避暑地”みたいなところが好まれます。焙煎して飲用されるコーヒーは元々果実です。果物などでも一日の寒暖の差が大きいと、糖を多く含み甘くなるのです。

 ということで、1年中そういった環境が保てる『暑い国の高地』がコーヒーの産地となるわけです。さらにコーヒーは標高が高ければ高いところ(標高1200m以上)でとれた豆ほど高品質とされ、当然運搬や手間がかかるため価格も高くなっています。こうしたことが、品質の良さをイメージさせることになり、生産国の象徴でもある山の名前をコーヒー豆の名前につくものが上質のコーヒーであるとされています。

 同時に、〇〇マウンテンと付ければ高く売れるという感覚が、多少なりとも生産者や商社の商業的な戦略に利用されているのも事実です。いわゆる誇大広告ってやつです。〇〇マウンテンだから必ず美味しいというのは注意が必要ですね。