苦いコーヒー

 雨に濡れる紫陽花の花はいいものですね。梅雨を感じさせる欠かせないアイテムです。そんなことを感じながら家の庭に咲く紫陽花を見つめていました。
  ところで、先日あるお客様から、「苦いコーヒーが好きなんです。どれがいいですか?」って聞かれました。焙煎度合の話や品種についてお話ししましたが、個人的には苦味の中に甘みやコク、華やかな酸味を感じるものが好きなのです。でも、苦いコーヒーを好む人って結構多いんですよね。
 そもそも、緑茶文化だった日本人がコーヒーを飲むようになったのはなぜでしょうか?それには諸説あるようです。
◎カリウム摂取のため
 コーヒーを飲み始めるようになった戦後の高度成長期以降、食生活が欧米化へどんどん変わっていくと共にコーヒーを飲む機会は増えました。今では、一人あたりの年間コーヒー飲用杯数はおよそ300杯にも及びます。昔は野菜中心の食生活で、「カリウム」を中心とした旬の豊かさを味わう食生活を営んでいました。人間は、カリウムとナトリウムが互いにバランスを保つことで、代謝をはじめとする体内細胞の浸透圧調整を行っています。カリウムを含む野菜を食べる時には、「ナトリウム」を必要とするため、味噌・醤油・塩で味付けすることで自然にナトリウムを摂取してきました。ところが、欧米の食文化を受け入れたことで、動物性タンパク質や脂質と併せてナトリウムを多く摂取する食生活に変わっていきました。そこで、カリウムが多く含まれるコーヒーを摂取することで、カリウムとナトリウムのバランスを整えようとする自然な行動だったというもの。
◎ストレス解消のため
 現代社会には、ストレス社会だとも言われています。そのことは、人の味覚や嗜好にも大きな影響を与えるようです。ある研究報告では、ストレスを感じると「苦いもの」を好んで口にする傾向があるとされ、人は苦みをもつコーヒーを飲むことで、無意識のうちにストレスを解消しようとしているというのです。ほんとかいなって感じがしますが、確かにコーヒーには癒し効果はありますね。より強く感じるのはストレスが多いからなのでしょうか?ストレスが少なくなれば味覚も変わるんですかね。「苦いコーヒーが好き」って人に伝えられないな~。