認証コーヒー

 コーヒー豆には「認証コーヒー」というものがあります。認証コーヒーとは、サスティナビリティ、栽培方法、生産者支援などの目的により、非営利団体や第三者機関により、一定の査定方法に則って評価し合格認証されたコーヒーのことで、日本へ輸出されている代表的なものとして、「レインフォレスト アライアンス」「フェアトレード」「グッドインサイド」(旧ウツカフェ)「バードフレンドリー」「有機栽培コーヒー」などが知られています。右のマークを見たことがあるかもしれません。

 私はフェアトレードに興味があったので、何度かフェアトレードコーヒー豆を購入し飲んでみたのですが、正直美味しいコーヒー豆に出合えませんでした。認証コーヒーには、それぞれの理念に基づいて活動している証しとしてマークが付けられているのに、美味しさにつながらないことを不思議に思っていたのです。

 フェアトレードジャパンによれば、フェアトレードとは、直訳すれば「公平な貿易」。現在のグローバルな国際貿易の仕組みは、経済的にも社会的にも弱い立場の開発途上国の人々にとって、時に「アンフェア」で貧困を拡大させるものだという問題意識から、南北の経済格差を解消する「オルタナティブトレード:もう一つの貿易の形」としてフェアトレード運動が始まりました。開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指ざす「貿易のしくみ」を いいます。

 はたして、フェアトレード商品を購入すれば、開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立になるのでしょうか?残念ながら、フェアトレードの商品に「優れた品質」と「競争力のある個性」が付加価値として備わっているとは思えなかったのです。特別な品質保障もなく、所詮はチャリティの枠を出ない商品に、消費者の関心が向くとは思えないし、むしろ、それを流通させている企業のイメージ戦略として利用されているだけではないかと感じてしまいます。

 本来、貧しい農家から買い叩いていた大企業に対して「大企業=悪」だったのに、いつのまにか大企業が企業の社会的責任(SRI)を御旗に、認証マークを貼りだしています。けれど、実際の認証マークの付いた商品は全体の数パーセントというのが現実で、「うちの会社は認証コーヒーを扱っています」という広告戦略に使われているのです。

 良い物を出来るだけ安くというのが企業の本音です。弱者は弱者であり続けなければ企業として困るのが、労働賃金の安い中国生産からベトナム生産に移転している多くの企業の実態からもうかがえます。企業が商品をより高く売るための手段が認証マークのような気がしてならないので、これからも、もっと調べてみたいと思うのでした。