だらだらと本を読む

今月、「喫茶店タレーランの事件簿4」が出たので、ついでに今月末に上映される「さいはてに-やさしい香りと待ちながら」の映画の脚本家が書いた本も購入しました。

 ターレーランの事件簿は、昨年5月にシリーズ3作目を読んだことで、その延長線上でついつい読んでしまいましたが、今回は短編集ということもあり、なんだか前回よりもまして物足りなさを感じてしまいました。美星バリスタが今後が気になるので、これからもずるずると読んでしまうんでしょうか。

 「さいはてに」は、2月28日に公開となる永作博美主演の映画なのですが、主人公の岬が営む焙煎珈琲店の名前は「ヨダカ珈琲」です。そう、宮沢賢治の『よだかの星』に由来しています。『よだかの星』は読み手によって様々な解釈が生まれる秀逸な短編小説です。主人公の岬と小学生の有沙の解釈も違っていました。

 『よだかの星』のラスト、よだかが自分の力で空を目指し星になる場面では、有沙は、寂しく悲しいラストだとやりきれない気持ちになります。一方岬にとっては、人に頼らず自力で生きていく人生の指針となり、手に職を持ち一人生きていく自分の生き方に重ねます。星になったよだかのように一人生きてきた岬が、最後にどのような生き方を選択するのか、『よだかの星』とは違ったラストシーンが、実際の映画でどのように表現されるか楽しみです。