生豆のハンドピック

 サンプル焙煎するためのコーヒー生豆をハンドピックしています。左の画像はエチオピアのイリガチャフェ地域の豆ですが、左が水洗式で精製されたもので、右は非水洗式で精製されたものです。

 エチオピアは、アフリカの生産量の34%を占めるアフリカ最大のコーヒー生産国で、アラビカ種の原産国であり、南部の高原地帯等でアラビカ種のみを生産しています。生産の約95%が小規模農家によるもので、大規模なプランテーションによる栽培はまだ少なく、家庭の庭でバナナやエンセーテなどを日蔭樹として栽培される、ガーデンコーヒーが生産の中心となっており、それぞれの地域の精製所へ集められたガーデンコーヒーが、地域ブランドとして流通しているのです。そこで、集められた赤いコーヒーの実を水洗いをして果肉を除去して乾燥するのが水洗式で、果肉を付けたまま乾燥するのが非水洗式です。

 エチオピアのコーヒーの精製方法は70~80%が非水洗式で、残りの20~30%が水洗式です。多くの海外市場では非水洗式は水洗式に比べ価格が低いのです。米国などでは水洗式が好まれますが、日本ではその独特の風味から非水洗式を好む人々も多いため、今回は、同じ地域の豆で精製方法の異なる豆を比べてみるのが目的です。

 豆の等級はそれぞれG1と言われるもので、欠点豆の数やサイズが揃っているはずですが、ハンドピックをしていると虫食いや欠け豆等、品質が違うことが良くわかります。焙煎後にどのような差がでてくるのか楽しみですね。こうした違いをお客様にも感じてもらうのも目標の一つです。

 

※エンセーテ:バナナに良く似た外観だが実は大きくならず、代わりに茎と根茎にデンプンが多量に含まれ食用とされている。