もう一度開けたくなる扉

 いよいよ店舗建設の契約を来週行うことになりました。店舗用の用地探しから始まって、具体的な建設予定まで進めることができ、少しづ実感がわいてきす。これから具体的な材料や色合いなどを決めてのですが、珈琲屋らしく何か特徴のあるものと考えたのが、入口の扉のノブをコーヒー豆の形にしたいというものです。そこで、同級生の鍛冶屋さんに出かけました。

 コーヒー豆の形をしたノブは珈琲専門店には時々見られるのですが、同級生の彼曰く、「うん、分かった。以前にもパン屋さんのドアに、フランスパンの形のノブを作ったことがあるから。」と、意外にもあっさり快諾してくれました。

 彼が最近手がけた作品には、魔女が住んでいるような洋館のアパートや、おとぎ話に出てきそうなパン屋さんがあり、非日常の世界観の建物ばかりでしたが、その中でフランスパンのノブを作ったお店のイラストを見せながら、「もう一度、開けたくなる扉になっている」と言ったことです。単なるお店に入るための扉ではなく、お客様にとって夢の扉のような期待感を持たせる扉でなくてはならないと、教えてくれました。う~ん、納得!

 業種は異なりますが、お客様が入る扉は同じです、期待を裏切るような扉にはしたくないですし、期待を超えるような自信もないと、正直な気持ちが出てしまいます。急に彼の言葉が重圧に感じちゃいました。

 ともあれ、先ずは、期待を裏切らないところからスタートです。小手先で奇抜さを狙うよりも、きちんとサービスできるお店にすることが基本ですから、そのために準備を怠らないようにしたいと考えたしだいです。