■ 2015年5月 ブログ

ロブスタ

 コーヒー生産国は約70ケ国にも及び、飲用目的で栽培され、かつ国際市場で取引されているコーヒーの種は、アラビカ種とカネフォラ種の2種にすぎません。現在、アラビカ種はニューヨーク、カネフォラ種はロンドンで先物取引が行われています。また、アラビカ種の品種は数が多く、ティピカ、ブルボン、マラゴジッペ、パカマラなどがあります。一方、カネフォラ種の品種は主にロブスタに限られ、その為、カネフォラ種は一般的にロブスタと呼ばれています。

 このロブスタという言葉には“頑丈・がっしり”という意味があり、その名が示すようにロブスタ種はアラビカ種と比較すると、暑さや病虫害に強いのですが、特有の泥臭さというか、濃い麦茶のような味でストレートで飲まれることはあまりありません。ブレンド用やインスタントコーヒーの原料として多く用いられています。

 このロブスタを少しだけ試飲用に焙煎して、数人の方に味わってもらいました。もちろん、日常ではロブスタをペーパードリップで飲むことはりませんので、全員が美味しくないとの意見でした。ですが、インスタントコーヒーやブレンドの一部、苦いだけのアイスコーヒー用に混ぜられていることはあまり知られていません。そんな話をすると、確かにこの臭いを感じたことがあると言われます。

 コーヒーは、お米やパンのように口に入るものです。「天然果汁100%」、「〇〇産原料」など、普段気にしている商品と比べて関心が少ないのも気になります。嗜好品のコーヒーですが、そんな農産物としてのコーヒーのことも知ってもらいたいと思うのでした。

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誰かのために

 先日、転職した友人が来店して雑談した際に、「自分のために働くのには限界がある。」と一言漏らしました。家庭環境や諸事情によって発せられた言葉なのですが、同時に、「自分のために生きるのには限界がある。」とも取れる言葉でした。幸いにも守るべきものがあるため、働くモチベーションになっているようで安心しましたが、人は一人では生きられない生き物だと感じさせた言葉でもありました。

 コーヒーの豆売りをしようと思ったのは、家庭で楽しんでもらうためです。誰かのために淹れるコーヒーは面倒で手間のかかる作業ですが、だからこそ相手に対して想いを込められるものだと思うからです。一昨日、お店で飲んだ美味しいコーヒーを家でも淹れたいと、しまってあったコーヒーメーカーを物置から出してきて、家族のために使うんだと豆を購入するため来店された方がありました。

 面倒なことをしてみようと思ったきっかけは様々だと思いますが、そこに至った想いには何かその家庭のストーリーがあったのかもしれません。「昔はよく淹れていたものだけど。」と話され、「久しぶりに帰ってくる息子に飲ませるんだ。」と続く言葉には笑みがこぼれていました。

 今日もコーヒー豆を購入するお客様がありました。これで開店から毎日続いています。最初はこの町では難しいかもと思っていましたが、家庭で淹れるコーヒーを想像しながら、これからも誰かのために焙煎していきたいと考えました。

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草取り

 アスファルトの駐車場の横に芝生のスペースがあると癒されますね。緑は人の心を落ち着かせる効果があるので、店の入り口に続くスロープが映えます。

 同級生が張ってくれた芝生も緑が濃くなり、だんだんと全体を覆ってくれることでしょう。けれど、同時に雑草も沢山出てきました。今日は、夕方に店を閉めた後に草取りです。軍手をはめて地面に這いつくばり、ひとつ残らず抜いてやろうと行動開始。でも、人雨降れば又どんどんでてくるんだろう~な。こればっかりはしかたないですね。

 開店から間もなく一カ月近くなり、店の外まで気に掛けることがやっとできたこの頃、少しずつですがマスター姿も板についてきたのではないかと、内心思っているのですが、来店されるお客様にはどのように映っているんでしょうか?

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子供のような山男

 午後の落ち着いた時間に、一見して山男と分かる男性が来店されました。お会いしたことがあるな~と思ってお話しすると、長野県木曾郡大桑村の福栃山と越百山の鞍部にある越百小屋(コスモコヤ)の主人でした。

 本日のコーヒーを注文されて、カウンターの前に陣取りドリップする様子をじ~っとご覧になっています。普段は山小屋でネルドリップで淹れておられるようですが、私が淹れるペーパードリップ見ながら、ドーム状に膨らんだ蒸らしを目を輝かせて見ていたかと思うと、注湯した瞬間に広がる香りに、「こりゃ、いい香りがする!特等席だ。」といって子供のように喜んでおられました。

 山登りをする方には超個性的な山小屋のご主人のようですが、私には子供のような山男に映りました。偶然通りがかって立ち寄られましたが、残念なことに明日から山小屋に向かわれるそうです。そうなると11月末まで来店されることはないようですので、次回の出会いを楽しみにしたいと思います。

 自分も山好きだったら、山小屋でご主人が淹れるコーヒーを素晴らしい眺望とともに飲みたいものですが、そんな趣味もないので、レジャー雑誌の風景を見ながら、淹れたてコーヒーを一杯楽しみましょうか。

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定休日も楽しく

 定休日といっても、いつもの時間にお店に向かい、焙煎機を予熱しながらビスコッティの材料を準備し、10時まで焙煎とお菓子作りを行いました。10時から自家用車の車検のためにディーラーに行って代車に乗り換え、農協、郵便局、食材の仕入れを行って再びお店に行きます。

 定休日なのだから休めばよいものの、こうして動いている方が楽しいのだから仕方がありません。結局、5種類の豆を焙煎し、ビスコッティ3種類とシフォンケーキを焼きました。そして、イチゴソースを作るために買ってきた3kgのイチゴを鍋で煮込んでいるところです。

 サラリーマン時代は休みになれば、朝からボ~っとしていましたが、今ではやりたいことがたくさんあって時間が足りないぐらいです。営業時間中に焙煎やお菓子作りなどの作業を行うと、お客様を気にして集中できない分、定休日の作業は楽しさ倍増です。やっぱり自分はこうやっているのが好きなんだと改めて感じますね。

 あまりにも詰め込みすぎて、ちょっと消化不良ぎみではありますが、定休日も楽しく過ごせるのは嬉しいです。ただ、家族サービスが少なくなったのが残念なことです。そんな訳で、今日の夕食は久しぶりに何種類も用意してみました。

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ちょっとワガママを

 今日は、年に一度行われる地元の同年の集まりがあるため、営業時間を2時までとさせていただきました。店を始めたばかりなのにワガママだと思われた方もお見えになったかもしれません。事前にホームページやツイッターで告知し、店舗前に掲出するボードにその旨お知らせはしたのですが、2時以降も来店される方があるため、翌日のために焼いていたシフォンケーキ作りや後片付けの合間に、もう一度お湯を沸かしてコーヒーを淹れたりしました。

 年に一度の同年の集まりという事もあり、遠方から帰ってきた同級生が途中で立ち寄ってくれましたが、あいにく閉店した後で残念な思いもさせてしまいました。「ちょっとワガママ」をさせてもらいます。一人で店をやる以上付いて回ることですが、体調不良や家族の都合より店を休まなければならない時が必ずあります。そうしたことを含めて店の個性として、今後も時々「ちょっとワガママ」をしようと考えています。恩師に「第2の人生の歩みですので、十分楽しむことが第一です。」と言われたことで、自分が笑顔でお客様を迎えられるようにな状態を心がけたいと思ったからです。

 今夜は久しぶりに旧友に合いリラックスした時間を過ごすことが出来ました。店の事を気にかけてくれる友人に感謝!感謝!

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ネット検索

 目的の店や場所を調べる時には必ずネット検索を行います。あたりまえのように行っていた立場でしたが、今では逆に調べられる側になりました。当然だと言えばそうなんですが。

 今日は、そうした検索で来店されたお客様がありました。丁度コーヒー豆が切れてしまい、「土岐 自家焙煎」で検索したら近くにあったから来ましたということでした。「あって良かったホームページ」と言う訳ですね。

 ホームページでお店の情報はある程度把握できるのですが、実際に飲んでみないと良し悪しは分かりませんし、何より店主やお店を気に入っていただけるかは直接接しないと判断してもらえません。「ホームページとイメージが違う!」、「店主がイケメンじゃなくおじさんじゃん!」などと言われてしまうと期待感も薄れます。もっとも、イケメンではありませんし、ブログのイラストには妻が描いたそのまんまの絵がありますから虚偽の表現はしておりませんよ。

 ネット検索では出せない魅力を出していけるよう、おじさんは頑張ります~!ちなみに「土岐 まめ蔵」で確実に検索できます。

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美味しいコーヒー

 開店以来、毎日コーヒー豆を販売させていただいています。当初はこの町ではコーヒー豆を購入する人は少ないだろうと考えていましたので、試飲もかねてカフェスペースを作った訳ですが、わずかであってもコーヒー豆を購入して自宅で楽しまれる方を見ると、幸せな家庭を想像でき思わず嬉しくなります。

 コーヒーの起源はエチオピアだと言われ、エチオピアではコーヒーセレモニーといわれる「おもてなし」のコーヒー作法が日常で行われています。生豆をお客様の前で洗って、きれいなものを提供することを見せ、フライパンのような鍋でコーヒー豆を煎り、臼で挽いたものを煮出して上澄みを飲みます。その道具が画像のようなものです。そもそもコーヒーは家庭の中にあったのです。

 コーヒーをお店で提供しているにもかかわらず申し上げるのですが、美味しいコーヒーは家庭にしかないと思っています。よいコーヒー豆を提供したいと思っていますが、私が淹れるコーヒーは丁寧に淹れてはいるものの、家庭で淹れる愛情のこもったコーヒーにはかなわないのです。ですから、できるだけよいコーヒー豆を提供することが、美味しいコーヒーのお手伝いだと考えています。

 家族のために淹れるコーヒー、家族に淹れてもらうコーヒー、そうした舞台があってこそ、美味しいコーヒーが生まれることを忘れないため、お店のコーヒー棚にはコーヒーセレモニーの道具を置いています。

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人に支えられて

 東京薬科大学名誉教授・岡希太郎先生の著書『珈琲一杯の薬理学』(岡希太郎 著・医薬経済社)を原作に「珈琲一杯の元気」として、フルデジタルマンガ制作の技術を使って、PCで作画しされたマンガを手すき時間に読んでみました。

 これを読むと、コーヒーの効能が次から次へと紹介されますが、必ず飲みすぎにはマイナス効果もあることが記載され、適度に飲用することが望ましいことが分かります。これは体に良いとされるもの全てに共通することで、バランスの良い食生活が良いに決まっています。

 お客様の中にも「コーヒーは健康にいいんだって」と会話される光景を目にしますが、そもそもコーヒーの飲用の歴史をみれば、体に悪い物ではないことは明らかなのです。でも、嗜好品であるコーヒーを「健康のため」に飲むのではなく、「美味しいと思うから」飲むことのほうがいいな~。だって、「あったかいんだから~♪」ではないですは、心がホッとして癒される瞬間のほうが元気になる気がするんですから。

 今日も初めて来店する方が何名もお見えになりましたが、その多くが友人知人からの紹介でした。そうした人に支えられ、少しずつでもコーヒーを楽しむ場として定着できればと思っています。今は人に支えられてばかりいますが、将来は支える側になりたいと思って始めたお店です。焦らず続けて癒しの場所になれたらと考えています。それこそ、「珈琲一杯の元気」を提供したいものです。

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二度目の定休日

 本日は二度目の定休日ということもあり、ゆっくりとした気分で朝を迎えました。いつもと同じ時間に起きて、家族と朝食をとってから妻にコーヒーを淹れますが、どことなく会話も落ちついている自分に気付きます。

 いつもと違って家族を送り出してから、溜まった納品書と領収書を整理し、会計システムに一件ずつ入力していきます。開業までサボっていた分を何とか取り戻しておけば、これからの作業が楽になるので、日付を間違えないように整理します。

 午後からは、不足した備品や仕入を行ってから店に入り、焙煎の合間にシフォンケーキとクッキーを作り、アイスコーヒーとコーヒーゼリーの仕込みを行います。あっという間に時間は過ぎてしまいますが、好きなことをやっているので苦になりません。

 一息ついたところで、コミックの「僕はコーヒーがのめない 2 」(ビッグコミックス)を読んでみました。今回の舞台がハワイのコナコーヒーだったので、実際に自分が見て体験した内容と重なって、思わずうなずいてしまいながら、コーヒー農園から眺める夕日の景色を思い出していました。もう一度行きたいな~。

 コーヒーは世界の約70か国で生産されていますが、先進国では唯一ハワイのみで商業生産されています。先進国であるが故に人件費が高く、コーヒー豆の価格もびっくりするほど高いのですが、農園で飲んだコーヒーは格別に美味しいものでした。土産物店で提供される試飲のコーヒーは、コナのコーヒーが10%程度しかブレンドされておらず全く別物なのですが、安い事もあってよく売れていました。本を読みながら、日系移民の方が苦労されたこと、子供がいなのでコーヒー園を閉めてしまうかもしれないと言っていた農園主のこと、広々としたカウ地区のコーヒー農園のことなどを思い出しながら、明日に備えて焙煎をしていました。(ちなみに、当店ではコナコーヒーは仕入れていません。)

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とっくりとっくん来店

 「とっくりとっくん」が来店され、お一人はカウンターの隅に鎮座してコーヒーを飲み、もう一方はトイレの窓に座り、臭わないはずなのに鼻をつまんで座っています。ちなみに、「とっくりとっくん」というのは、とっくり生産日本一といわれる岐阜県土岐市下石町のマスコットキャラクターで、町のあちらこちらに色々なポーズをしている「とっくりとっくん」がいるんです。

 ところで、「とっくりとっくん」が歩いて店に来たわけではありません。(陶器の置物なんだからネ。)製造元はココの同級生です。入口のドアノブに影響されてか、ソーサーの上にはコーヒー豆が置いてあります。(ニュークロップにしては緑すぎますな)

 なんだか、お客さん以外でにぎわうのが心配なんですが、ま~寂しい店内よりもいいだろうと思っています。ご来店の際には、どこにいるのか探してみてください。

 

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キリマンジャロ

 「キリマンジャロありますか?」と聞かれることがあります。そんな時は、「タンザニアはあります」と答えてしまいます。これってダメな答え方なのかもしれませんが、説明すると長くなるし、嘘っぽくなるのでついついこう答えます。

 一般的に「キリマンジャロ」と呼ばれるのは、タンザニアのキリマンジャロ山の麓の町、アルーシャやモシ近くの、標高1,500mから2,500m付近のプランテーションで栽培された、強い酸味と甘い香りを特徴にしたものです。日本ではキリマンジャロ・ブランドとして有名ですが、世界的に人気がある銘柄かというと実はそうでもありません。ブルーマウンテンと同様にイメージ戦略によって作りだされたブランドなのです。ホームページでも紹介していますが、日本がダントツの輸入国です。

 日本でキリマンジャロがブランドとして認識されるようになったのは、ヘミングウェイ原作の『キリマンジャロの雪』(1953年日本公開:上の画)がきっかけだと言われており、ブルーマウンテン同様「英国王室御用達」という売り文句で販売されていたようです。日本人ってのはこういうのに弱いんですね。

 コーヒーの表示に関する公正競争規約によれば、「キリマンジャロ」というブランドは、タンザニア産すべての水洗式アラビカ種コーヒー豆も利用することができるため、当店もキリマンジャロという名称で販売できますが、これって何か変でしょ?そんな訳で、キゴマ地区の名前で「タンザニア キゴマ」と使っています。

タンザニアらしさは同じなんですよ。

 今では「キリマンジャロ」として日本では認知され多く輸入されていますが、昔は認知度が低く、遠くイエメンまで運んでモカとして輸出していたことを知ると、本来の価値って何なんだろうと思います。
 

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ない!

 お店の中ではクッキーを何種類か提供していますが、これまで食べたことのある友人知人が少しずつ買ってもらえます。今日は、どういう訳かまとめ買いされる方が多くて、在庫が残りわずかになってしまいました。そして、シフォンケーキも注文が多く、ご提供できる物がコーヒーだけと言う状態です。

 本来なら閉店後に少しでも作りたいところですが、今日は久しぶりに手話サークルに出かけるため、午後7時過ぎには店を後にしたので、明日はコーヒーのみの提供になってしまいそうです。ありがたいと感謝しながら自分の力の無さを感じました。

 手話サークルでは、泉町青少年育成会による「青少年の主張」の通訳練習を行っています。年齢や職業の異なるメンバーが真剣に取り組んでいる姿は、店の中で一人仕事をしているのと違って、新鮮な空気を吸っているようでホッとします。

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マドレーヌ

 あるお客様からマドレーヌが欲しいと言われて、店を閉めてから焼いてみました。以前知人を通して食べた時に美味しいと思われたようで、もう一度食べたいとの要望です。

 マドレーヌは素朴なお菓子なのですが、サクッで、しっとりした口触りと、ハチミツとレモンとバニラの風味が後を引きます。ついつい3つも食べてしまった。誰のために焼いているのか?

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アメリカンください!

 「アメリカンください!」と注文される方があります。いちおう迷いながらメニューには入れましたが、「アメリカン」という名称には実は違和感があるんです。

 その答えが「コーヒークイズ」の第5問の答えです。今回は、その回答の全文を載せてみました。

 一般的に「アメリカン」と言われるコーヒーは、アメリカ式の焙煎表示で使用される8段階の焙煎度分類の中で、焙煎度が低いシナモンロースト(浅煎り)やミディアムロースト(やや浅めの中煎り)の豆を使って、抽出したコーヒーのことを言います。
  この「アメリカン」名称は、日本で使われる呼称であって、世界基準となる珈琲鑑定士用語には存在していませんし、アメリカでも「アメリカンコーヒー」とは言いません。また、「レギュラーコーヒー」も言いません。実際、アメリカではスターバックスに代表されるシアトル系コーヒーなどのエスプレッソ等も好んで飲まれるようになっています。ただ、アメリカ西部の方が浅煎りの豆を使用し、東部の方が深めに焙煎した豆を使用する傾向があるようです。
 では、なぜ「アメリカン」とう名称が使われたのでしょか。これには諸説あるようで、「1964年東京芝田村町の、とある石油会社ビル内の地下で営業している喫茶店において、当時深煎りが主流であった日本のコーヒーを何杯でも飲めるようにという、アメリカ駐在帰りの会社員の客からのリクエストに応え、コーヒーカップより一回り大きいミルクカップにコーヒー豆の量を少なめにして淹れることで、浅煎りのコーヒーに見立てた」という説や、「1966年に設立された日本珈琲販売共同機構を本部とする珈琲専門店フランチャイズ『コーヒーハウスぽえむ』が日本で初めてメニューとして登場させた」など複数の説が存在します。
 なお、1979年にサントリーがV.S.O.PのCMで「ブランデー水で割ったらアメリカン」のキャッチフレーズを使用してブームになり、落語家などが『ただの珈琲、お湯で薄めればアメリカン!』と茶化し始めたのがきっかけで、通常のコーヒーをお湯割りにしたものを「アメリカン・コーヒー」と認識している人達が今でも見られますが、こうした見方は誤っています。喫茶店の全盛時代の1980年代にはミルクや砂糖を添加せずに、ブラックで飲めるアメリカンコーヒーが日本で大流行しました。その際には、浅く焙煎したコーヒー豆を使って淹れるアメリカンコーヒーの店と、普通のコーヒー豆で普通に淹れたコーヒーを、お湯で薄めたアメリカンコーヒーの店とがあったようです。
 焙煎が浅い豆を使用するため、コヒーは苦味は弱く、逆に酸味は強いコーヒーができます。ところが、苦味は弱くて飲みやすいのですが、カフェインは実は多いというのはあまり知られていません。カフェインは、焙煎によって順に減ります。焙煎が浅いとカフェインが多く残ることになるのです。

 以上がコーヒークイズの解答として掲載している文面です。ちなみに、当店では浅煎りの豆を使用して淹れていますので、ブレンドと異なり酸味があると思います。実際のところ、多くの店ではお湯で割ったものをアメリカンとして提供しているので、「この店のは美味しくない!」と思った方も多いのではないでしょうか。そんな方はブレンドをお試しください。(でも、もう来店されないかも)

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雨の降る日は

 台風6号の影響で午後から雨風が強くなった今日も、嬉しい出会いが幾つもありました。まったく感謝の言葉しかでてきません。

 その中で特に嬉しかったのは、税理士の同級生です。数多くの飲食店経営を見てきた中で、廃業する事例を通して色々なアドバイスをいただきました。厳しい現実は理解しているものの、専門家からの指摘はズキンと刺さるものがありますね。けれど、心配しているからこその優しい想いのこもった重い言葉でした。気軽に相談できる場所ができたのは私にとっては貴重です。

 雨の降る日は、ついついネガティブになりやすいものですが、今日は嬉しい出会いもあって、ちょっと得した気分です。でも、拭いていたコーヒーカップを落として割ってしまったのはいただけませんが。

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初の定休日

 営業を始めて初の定休日となった今日は、朝から焙煎を行いながらハンドピックもできます。余裕を持った気持ちで作業できることがいいですね。午後からは飲食店などを対象にした、年に一度の食品衛生講習会が妻木公民館で行われたので、受講記録の手帳と検便を持参して参加しました。

 この講習会は多治見保健所管内の各地区を分けて実施されるのですが、妻木公民館では120名ほどの出席者があり、その対象者の多さに驚かされます。新参者の私はおとなしく座っていましたが、20代から70代までの顔ぶれをみても、コンビニ店長から寿司屋、鰻屋、食堂、製菓店まで様々、面識のある方もチラホラお見えになりました。

 普段立ったままなので、半日椅子に座ることが出来て束の間の休息と言ったところです。もちろん、講義の内容はしっかり聞いておりましたよ。隣のベテラン・マスターは終始居眠りしておられましたがね。

 講習会終了後、店に帰る前に買い物を済ませ、残りの焙煎を行いながら、シフォンケーキとプリンを作って翌日からの営業に備えます。

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初心を思い出す

 今日は母の日です。母親には妻から、妻には娘たちからプレゼントが届けら手ました。父親が亡くなってから男は私一人になったので、我が家の女性陣には頭が上がりません。もちろん、お店を始めるにあたって応援してくれたのも、その家族ですので、頼もしく有難い存在でもあります。そんな家族に負担をかけているのも事実で、休日に手伝ってくれた妻の疲れた姿を見ると、やるせない思いがします。なんとか一人で頑張らねば!

 いろいろな事が思うようにできない焦りを感じている時に、午後に来店された年配のご婦人が、「要介護の夫を車いすで入店させてもらえますか?寝たきりなので、こうした場所を経験させたい。」と尋ねられました。もちろんお受けし、これまでにも障がい者の友人が車いすで来店されたり、訪問介護の方が介護士の方と訪れたりされたことを話しました。元々そうしたことを想定してスロープの入口を付けたり、余裕のあるテーブル配置にしたのですが、コーヒー豆の焙煎の事や接客ばかりに気になって、「なぜ地元でやるのか」ということを忘れかけていました。

 自家焙煎の珈琲屋を始める時、色々なお店を巡りました。それぞれこだわりを持っておられ、個性豊かな店づくりをされてみえるのですが、自分がやりたいのは、高くて珍しいコーヒーを販売してコーヒーのうんちくを語るためでもなく、コーヒー好きの一部マニアの場所にする事でもなく、遠方のお客様を地元に呼び込むことでもなく、私は、家族、友人、知人、親戚など、身の回りにいる方たちに美味しいと思えるものを提供したいから地元で始めたのです。

 応援してくださる多くの方にお礼状を出す準備をしながら、その方たちに報いるような良い店にしなければと焦っていましたが、もう一度初心を思い出して、その方たちが来れる場所としてあり続けるために、多少の失敗や不充分なことがあっても、先ずは一人で続けられる程度の範囲でやってみようと思うのでした。店舗作りや設計に際して手伝ってくれた友人が「続けてくれることが一番のお礼」だと言ってくれた言葉の意味を噛みしめます。 

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多く来店して欲しいなんて言えない

 開店早々、「多く来店して欲しいなんて言えない」などと言ったら、応援してくださっている多くの方に怒られそうですが、自分のあまりにも不甲斐なさに思わずそんな言葉が出てしまいます。「お客様に満足していただきたい」、「コーヒーのある生活を楽しんでもらいた」「農産物であるコーヒーを知っていただき、産地のことにも関心をもってもらいたい」色々な想いを込めて初めても、肝心のコーヒー豆を欠品したり、コーヒー豆の扱いが雑になる自分に気付くと、とても恥ずかしくて「多く来店して欲しいなんて言えない」という言葉が出てしまいます。

 実は、そんな気分にさせる出来事が起きました。初めて焙煎に大失敗して丸焦げにしてしまったのです。原因は着火バルブを開けっ放しにしたため、温度センターから離れた場所が高熱になり、気付かぬまま煙がモクモクと上がって真っ黒に焦げてしまいました。焙煎することに焦っていたのか、集中力がなかったのか、悩んでしまいそうです。

 そうはいっても、明日にはお客様がお見えになります。なんとか午後10時まで焙煎とシフォンケーキ作りを終え、明日早朝に片づけを残して今日一日を終えました。昨日よりも今日、今日よりも明日、さらに成長できるよう努力し、「多くの方に来店して欲しい」と言えるようになりたいものです。 

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朋あり遠方より来る

 閉店後に午後8時過ぎまで焙煎し、翌朝午前6時前には店に行ってハンドピックを行うという日が続きましたが、今日は平日という事もあり、何とか早朝からの作業は省けそうです。コーヒー豆の販売量が今度どのように推移していくか不明なため、閉店時間を予定より早めることになっていますが、焙煎時間を確保する営業時間をそろそろ確定しなければ。コーヒー豆の無い珈琲屋にならないようにしなければなりません。10日までの半額セールが終了すれば落ち着くのかな?

 今日から家族の応援も無く一人さびしく仕事をしなければと思っていたら、遠方より懐かしい友がやってきました。私と同じ早期退職をして新しい挑戦を始めようという、同期入社で碧南に住む友人。もう一人はさいたま市に住む同級生です。

 論語に「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」とありますが、人生の最高の楽しみの一つは、仲のよい友人とともに酒をくみかわし、歓談することであるといいっています。お店ではお酒ではなくコーヒーですが、多くの友人があっても、趣味が一致しているとか、おなじ志で一筋に生きている人と掛合うチャンスは稀であり、折角出合いがあっても、いろいろの事情で、遠隔の地に住まなければならないことも少なくありません。そのような遠い場所から訪ねて来た親友と久しぶりに近況を報告し合ったり、意見を交換したりするのは、人生の大きな楽しみであると同時に、人生そのものを豊かなものにします。お店を始めて良かったと思える時間でした。

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出会いの店になるために

 開店二日目も早めに閉店にして、不足したコーヒー豆を4種類焙煎しながら、クッキーを2種類焼いて商品棚を多少埋めることができました。でも、こうした時間に4、5時間費やしてしまうので、根本的な営業時間の見直して必要です。休日という事もあって来店者が多かったのですが、明日からは平日となってお客様が減少するでしょうから、ある程度の来客数の推移を見ながら見極めたいと考えています。それまでの間はしんどい日々が続きます。こういう感覚は意外に気持ちいいんですがね。

 店を始めたことで、これまで会えなかった人と久しぶりに会えます。お互いに年齢を重ねているので、以前と異なる生活環境に「なるほど、そんな年なんだ~。」などと、納得したり驚いたりと嬉しい時間を過ごせます。また、このホームページを見て遠方からわざわざ来店いただいた方もあり、今後も新しい出会いも生まれそうでワクワクしますね。

 さあ、明日からは一人で店を切り盛りをします。まったく自信ありませんが、一つ一つ失敗しながら改善するつもりです。丁寧に淹れたコーヒーだけは手を抜かないで!だって、一生懸命焙煎してハンドピックした豆ですからね。

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豆が無い!

 開店当日の朝、店の前にはお祝いの花が並びます。店の中にはさらに多くの名花々が次々と届けられ、花が似合わない私は、どこに身を置いて良いのやらといったところです。せっかくなので玄関で記念撮影!

 そんな呑気なことが出来るのも朝までです。地元の方や友人知人が途切れなく来店され、相変わらずのテンヤワンヤの様相となってしまいました。家族の応援が無ければ、店を回していけない現実を思い知らされますね。

 そんな中でも、コーヒー豆の販売が予想を超えてしまい、とうとう在庫切れの商品が多数出てしまいました。珈琲屋にコーヒー豆がないなんていう情けない状態に愕然としてしまいます。また、地元の若い方(20代から40代)がコーヒー豆のみを購入しに訪れていただけたことに驚きました。この町にもコーヒーを自宅で淹れて楽しむ方が意外に多い事が嬉しくなり、店をオープンさせて良かったと思えたと同時に「あの人たちのために」と頑張れます。

 そんな状態だったので、閉店時間を5時までとして、5種類の豆を焙煎しながらシフォンケーキを2個焼いて、明日の準備を行いましたが、このままでは明日もさらに悲惨な結果になるのではないかと考え、明日の営業時間も短縮する計画です。

 疲れましたが、コーヒー好きのお客様との会話を楽しむことができ、心地よい疲れとなりました。

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開店前日

 昨夜は、恩師からの応援メッセージをもらい、中学生に戻った気持ちでした。先生に励まされたり褒められると頑張れた思い出がありますね。

 今日は開店を明日に控えて朝から7種類の豆を焙煎し、シフォンケーキとコーヒーゼリーの仕込みをしながらメューの修正をしました。コーヒー豆の焙煎を行っていると、タイマーと温度計ばかり気にしているので、今が何時なのかも忘れてしまいます。

 焙煎するコーヒー豆を眺めながら、プレオープンで接客ばかり気にしていた自分を思い出し、コーヒー豆と向き合うために自家焙煎店にしたのに、いったい何をやっているんだろうと反省しきりです。よいコーヒーを提供したいとの想いで、焙煎したての新鮮なコーヒーを、挽きたて、淹れたて、で提供することだけを考えていたことを思い出すのでした。

 そんな所に、上の画像のような立派な鯛が登場!開店祝いに友人が釣ってきた鯛を届けてくれました。早速、刺身と塩焼き、アラ煮でご馳走になりました。感謝!感謝!です。

 それにしても、店内は頂いた多くの花や観葉植物でいっぱいです。珈琲屋なのか植物園なんか分からないくらいになっています。O型の自分にちゃんと世話ができるんでしょうか?心配だな~!

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プレオープンその2

 プレオープン二日目、初日と比べて少しだけ落ち着いた接客が出来た気もするのですが、お客様からみればじれったい気持ちにさせているのかもしれません。それだけバタバタした動きが目立ちます。

 素人さが許されるのもプレオープンまで、本オープンの5日からはお金をいただくことになるので、これまで以上に緊張します。二日間にご来店いただいた方々は応援団のような人ばかりですから、ミスもご愛嬌で許されました。不安もありますが、そうした応援団がいるからこそ、頑張れる勇気をもらえるんです。やりがいを感じたプレオープンになりました。

 課題も山積していますが、これまでこれたのも家族支えがあってのこと、今日は感謝の気持ちを込めて妻に花束を渡したのでした。これだけでは足りませんが、せめてものお礼です。同時に5月3日は次女の誕生日なので、娘にも花束をプレント!娘たちも良く手伝ってくれました。これからも休日の応援を期待したいところですが、娘たちの生活もあるので自分で頑張らねば!って気合をいれます。

 予定の営業時間を過ぎた後、家族そろってお墓参りへ。今日は父親の8年目の命日でもあるのです。草の生えたお墓を掃除して、家族それぞれが色々な報告を行ってきました。店のオープンなど特別な命日となってこの日、きっと何かの縁で繋がっているのでしょうね。さあ、明日は本オープンに向けての最終準備です。やれることをやるだけって気持ちで進みます。自分に無い物は、やっぱり無いんですから。「ありの~ままで~♪」なのです。

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プレオープンその1

 プレオープンで店舗の近所の方や、サラリーマン時代にお世話になった方を招いてのプレオープンです。入口には娘に書いてもらったPOPを置き、ドアノブには貸切中のプレートを掲げて準備です。今日は妻と娘二人が協力してくれるので、多少心に余裕が持てそうです。

 予定時間よりも早くやってきたのは元同僚。気楽な相手でリラックスして始まりましたが、10時過ぎには次々と来店されパニック状態!すべての方にシフォンケーキかロールケーキを付けているので、盛り付けを担当している娘たちは焦ってしまいます。オーダーを聞くことも忘れてしまうほどです。そんな光景を見ながら、予想していたこととはいえ、せっかく来店いただいたのに申し訳ない気持ちで一杯です。一人ひとりにご挨拶をしたいところでしたが、申し訳ありません。

 プレオープンの目的は、シュミレーションどうりに接客できるのか、具体的な問題点はないのか等を検証する場でもあります。喜んでいただいたものもあれば、「な~んだこんなものか」とがっかりされた部分もあるでしょうが、一番の課題は「一人で接客できるのか?」に尽きます。今日のように家族の応援がある日は良いのですが、基本的には一人で店を回すことになるので、メニュー構成や営業時間、物品の配置などを見直す必要があります。そして、焙煎豆の種類をどのように提供するかです。最初という事もあって何種類も準備しましたが、認知や飲用習慣によって購入される種類に偏りがあります。店の顔としての商品構成も必要です。本オープンまでにどこまで修正できるのかな。う~ん、頭が痛い!

 応援に入ってくれた家族も慣れないことで疲労困憊のようです。好きでやっている私と違って疲れるだろうな~。一番感謝しなければいけない家族に、どやって報いましょう。

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営業許可書

 本日、保健所から連絡があり、「営業許可書」を受領し、これで晴れて営業が可能になりました。

 許可書は飲食営業と菓子製造の二つです。ランチなどの軽食は行いませんが、将来の事を考えて飲食営業を申請しました。自家焙煎店の中には、トーストのみの喫茶営業で行うところもありますが、コーヒー豆の販売をメインにした営業には、地域的に限界があると感じた訳です。都市部では、コーヒー豆の販売のみの物販営業として営まれている店舗もあり、多少立地には羨ましい点もありますが、地元で長く続けていくことを考えると今のスタイルになったのです。

 開店準備に追われる中、友人などからお祝いの花をいただきます。そうしたことを想定していないため、(考える余裕がないため)驚きと同時に恐縮するばかりです。今はただ感謝するのみです。何かを始める時に背中を押してくれる人、祝ってくれる人、そうした人たちが自分の周りにいることに改めて気づかせていただき、勇気と元気をいただけます。本当にありがたいですね。感謝!感謝!

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